DEMOKIT CAR / デモキットカー

「DEMOKIT CAR」は、市販されているノーマルの車両に、実在する日本の著名なチューニングメーカーのパーツ(主にエアロキット)を装着した、特別なカテゴリです。ベース車両が持つ素性の良さを、各チューナーが独自の哲学でさらに磨き上げた、個性豊かなマシンが揃っています。ノーマルカーの延長線上にありながら、その走りは全くの別次元。日本の奥深いチューニング文化の一端に触れることができる、玄人好みのカテゴリと言えるでしょう。


■ BOMEX Racing GT CONCEPT V001

ベース車両Toyota SUPRA RZ (JZA80) '97
コンセプトJGTC(全日本GT選手権)スタイルの追求
特徴90年代のレースシーンを彷彿とさせる、BOMEX製のワイドボディキットを装着。強力なダウンフォースと、ワイドタイヤによる圧倒的なグリップ性能を手に入れた「コーナリング・スープラ」。映画『ワイルド・スピード』にも登場したスタイルは、JDMチューニングの象徴的存在。湾岸線の直線性能と引き換えに、C1での旋回性能を極限まで高めている。

■ WRX STI ELECTRICO

ベース車両SUBARU WRX STI Type S (VAB) '15
コンセプトタイムアタック仕様のサーキットウェポン
特徴スーパー耐久で鍛え上げられた、DAMD(ダムド)製のエアロパーツを装着。ラリーの血統を持つWRX STIを、完全にアスファルトの上で戦う「タイムアタックマシン」へと昇華させている。強力な空力性能は、特に高速コーナーで絶大な安定性を発揮。ランエボとは違う、もう一つの「AWDの究極形」。

■ RouteKS BODY KIT NA2

ベース車両Honda NSX Type S Zero (NA2) '97
コンセプト聖地・鈴鹿が生んだ、究極のハンドリングマシン
特徴モータースポーツの聖地・鈴鹿に拠点を置くホンダ専門チューナー、RouteKS(ルートKS)が手掛けた一台。NSXが元来持つ完璧なシャシーバランスに、GT500マシンさながらのワイドボディと空力性能をプラス。MRの運動性能とダウンフォースが融合したその走りは、テクニカルコースにおいて敵なしの存在。

■ 辛口コラム:魂を込める、ということ

DEMOKIT CARは、我々に一つの問いを投げかける。「チューニングとは、何か?」と。 それは、ただ馬力を上げることではない。ただエアロを付けることでもない。 ベースとなる一台のクルマに敬意を払い、そのクルマが持つ歴史や哲学を深く理解し、そして、自らの魂を込めて、新たな姿へと生まれ変わらせる。それこそが、日本のチューニング文化の本質だ。 BOMEXは、スープラにJGTCの夢を見た。DAMDは、WRXにサーキットの栄光を与えた。そしてRouteKSは、NSXに鈴鹿の風をまとわせた。 これらのマシンは、単なる改造車ではない。作り手の「魂」が宿った、もう一つの「作品」なのである。