
■ 基本スペック (ノーマル時)
項目 | スペック |
メーカー | トヨタ |
駆動方式 | FR |
エンジン | FA20 水平対向4気筒 |
総排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 200ps / 7,000rpm |
最大トルク | 20.9kgf・m / 6,400-6,600rpm |
全長×全幅×全高 | 4,240×1,775×1,300mm |
車両重量 | 1,230kg |
トランスミッション | 6速MT |
■ ゲーム内での特性・オススメセッティング
特性: スバルBRZと基本設計を共有する兄弟車だが、その乗り味は明確に異なる。「誰もが気軽にドリフトを楽しめるように」というトヨタの味付けにより、サスペンションはBRZよりもリアが滑りやすい、遊び心のあるセッティングとなっている。 BRZが「安定志向のグリップマシン」なら、86は「テールハッピーなドリフトマシン」。意図的にグリップの低いタイヤを履いていることもあり、ノーマル状態でも簡単にテールスライドを誘発できる。クルマを操る楽しさを、より分かりやすく表現した一台。エンジンが持つ「トルクの谷」はBRZと共通の弱点。
オススメセッティング:
- ライトチューン向け (Lv.3程度)
- 方向性: ドリフトマシンとしての素質を、さらに伸ばす。
- 足回り: 車高調と機械式LSDの導入は必須。リアの滑りやすさを活かしつつ、コントロール性を高めるセッティングを目指す。
- 吸排気&ECU: BRZ同様、エキマニ交換とECUチューンで「トルクの谷」を解消する。
- タイヤ: あえてグリップを少し落としたスポーツタイヤを選び、ドリフトのしやすさを維持するのも面白い。
- フルチューン向け (Lv.MAX)
- 方向性: AE86の魂を受け継ぐ、現代のドリフトキングへ。
- パワーユニット: パワーユニットを最大まで強化し、ターボやスーパーチャージャーを装着。350psもあれば、どんなコーナーでも豪快な白煙を上げることができる。
- 操舵系: 切れ角アップナックルを装着し、カウンターステアの限界を高める。
- 軽量化: 徹底的な軽量化で、初代ハチロクのような軽快な動きを手に入れる。
■【評価と立ち位置】
- 国内での評判:『AE86の再来』 その名が示す通り、「ハチロク(AE86)」の精神的後継車として、市場から熱狂的に迎えられた。当時の豊田章男社長の「もっと面白いクルマを作ろう」という号令のもと、スバルとの共同開発という形で実現。若者のクルマ離れが叫ばれる中で、再びFRスポーツの楽しさを世に知らしめた功績は大きい。
- 国外での評判:『世界が待っていた、手頃なFRスポーツ』 「Toyota 86」「Scion FR-S」として、世界中で大ヒット。特に、AE86が伝説となっている北米市場では、「ハチロクの再来」として熱狂的に受け入れられた。BRZとの subtle な違いは、海外のジャーナリスト達の間でも常に議論の的となった。
- ゲーム内での評価:『生粋のドリフトマシン』 BRZがグリップ走行向けの優等生なら、86はドリフト走行向けのやんちゃ坊主。ノーマル状態からテールスライドしやすく、ドリフトの練習には最適な一台。もちろん、セッティング次第でグリップ走行でも高い戦闘力を発揮するが、このクルマの本当の楽しさは、カウンターを当てている時にこそ味わえる。
■ 辛口コラム:「86」という名の、重圧と覚悟
新しいクルマに「86」と名付ける。それは、あまりにも重く、そして危険な賭けだった。 それは、単なる数字ではない。日本の、いや世界の走り屋にとって、それは「伝説」そのものを意味する記号だからだ。生半可なクルマであったなら、偉大な先代の名を汚すだけだと、誰もが思った。 だが、トヨタは応えた。ただの復刻版ではなく、スバルとの共同開発という新しい形で、「現代のハチロク」を見事に創り上げてみせたのだ。 そして、その証拠に、兄弟車であるBRZとは違う、「少しだけやんちゃで、お尻を振りたがる」という、あの頃のハチロクと同じ味付けを施してきた。その走りは、作り手たちの「覚悟」の表明だ。我々は、断じて伝説を汚さない、と。