ホンダ

【車両紹介】ホンダ NSX-R (NA2) '02

■ 基本スペック (ノーマル時)

項目スペック
メーカーホンダ
駆動方式MR
エンジンC32B V型6気筒 NA (バランス取りエンジン)
総排気量3,179cc
最高出力280ps / 7,300rpm
最大トルク31.0kgf・m / 5,300rpm
全長×全幅×全高4,430×1,810×1,160mm
車両重量1,270kg
トランスミッション6速MT

■ ゲーム内での特性・オススメセッティング

特性: タイプSゼロをさらに研ぎ澄ませた、初代NSXの最終回答。最大の特徴は、市販車として初めて「マイナスリフト」を達成したエアロダイナミクス。カーボン製のフロントフードやリアウィングは、高速域で車体を路面に押し付け、異次元の安定性を生み出す。 エンジンは、F1エンジン同様の精度で部品の重量バランスを合わせた「バランス取りエンジン」を搭載。スペック上の数値は変わらないが、アクセル操作に対するレスポンスは他のどんなマシンも寄せ付けないほど鋭敏。全ての操作が寸分の狂いなく挙動に現れる、究極のピュアマシン。

オススメセッティング(B案):

  • ライトチューン向け (Lv.3程度)
    • 方向性: 完成され尽くしたノーマルのバランスを最大限に尊重する。
    • タイヤ: このクルマのチューニングは、最高性能のタイヤを履かせることから始まる。それ以外は、しばらくノーマルで乗り込み、その素性の良さを味わい尽くしたい。
    • ブレーキ: ブレーキパッドのみをサーキット用のものに交換し、コントロール性を高める。
    • サスペンション: ノーマル状態が首都高の路面には硬すぎるため、減衰力のみを少しだけソフト方向に調整すると、接地性が増してかえって安定する場合がある。
  • フルチューン向け (Lv.MAX)
    • 方向性: ノーマルの美点を失わずに、絶対的な速さを上乗せする。
    • パワーユニット: バランス取りされた珠玉のエンジンに、最高のパーツ(軽量ピストン、ハイカム等)を組み込み、NAのまま500psを目指す。そのフィーリングはまさに官能の極み。
    • ボディ: さらなる軽量化とボディ剛性の向上。ノーマルのエアロが完璧なため、下手に形状を変えるより、各部の補強に徹するのが吉。
    • その他: このクルマをフルチューンするということは、その完成された芸術品に手を入れるということ。相応の覚悟と敬意が必要だ。

■【評価と立ち位置】

  • 国内での評判:『ホンダが到達した頂点』 日本の自動車史における「聖域」とも言える存在。単なる速いクルマではなく、当時のホンダが持つ技術、哲学、情熱の全てを注ぎ込んだ、一つの到達点として認識されている。その開発目標は「快適性の排除による、サーキットでの快感の追求」。中古車市場ではもはや投機の対象となっており、その価値は上がり続けている。
  • 国外での評判:『ニュルが生んだJDMの神』 日本国内専用モデルでありながら、その名は世界に轟いている。ドイツの過酷なサーキット「ニュルブルクリンク」で鍛え上げられ、当時のフェラーリ360モデナのサーキット仕様に匹敵するラップタイムを記録した事実は、世界中のエンスージアストに衝撃を与えた。その走りは海外の著名なジャーナリスト達にも絶賛され、「JDMの神(ゴッド)」として崇められている。
  • ゲーム内での評価:『ハンドリングの絶対王者』 ゲーム内に登場する全車種の中で、最もハンドリング性能に優れたマシンの一台。特に、タイプSゼロとは比較にならないほどの高速コーナーでの安定性は、このクルマだけの絶対的な武器。その圧倒的な旋回性能の前では、多少のパワー差は意味をなさない。速さを追求するならば、誰もが一度はこのマシンのステアリングを握るべき、究極のベンチマークである。

■ 辛口コラム:技術者たちが遺した、最後のラブレター

タイプSゼロが、贅肉を削ぎ落とす「引き算」の美学で創られたとすれば、このNSX-Rは、科学的な知見を積み上げる「足し算」の美学で創られている。 ただ軽くするだけではない。空気の流れを計算し、車体を地面に押し付ける力(ダウンフォース)を生み出す。F1エンジンのように、寸分の狂いなく部品の重量を合わせ、人間の感覚すら超える精度でエンジンを組み上げる。それは、もはやチューニングではなく、科学であり、芸術だ。 NSX-Rは、初代NSXを開発した技術者たちが、自らの最高傑作に対して送った「最後のラブレター」なのかもしれない。そこには、速さへの飽くなき探究心と、クルマへの限りない愛情が満ち溢れている。このクルマを運転するということは、そんな彼らの熱い想いを受け取ることでもあるのだ。

-ホンダ