
RECORD:0とは
RECORD:0。
名前からして、もう普通のGT-Rではない。
記録を狙う車というより、記録を殴りに行く車だ。
ベース車は、見た目からして**日産 スカイラインGT-R VスペックⅡ(BNR34)**と思われる。
角ばったフロント、GT-Rらしいワイド感、直列6気筒ターボ、4WD。
そしてボンネットの雰囲気も、VスペックⅡらしいカーボンフード系の匂いがある。
日産ヘリテージコレクションでも、BNR34型スカイラインGT-R VスペックⅡはRB26DETT型2.6L直6ツインターボを搭載し、2000年追加モデルではNACAダクト付きカーボンエンジンフードやアルミペダルを採用したと説明されている。
つまり、元の時点でかなり“その気”のGT-Rだ。そこにRECORD:0は、さらに青黒の外装と強烈な出力を足している。
ゲーム内では2,824cc、1079ps、156kgm、4WD。
これはノーマルRB26ではなく、2.8L級に拡大したRB26、いわゆるRB28系の高出力仕様と見るのが自然だ。
R34 GT-Rは、ただでさえ神格化されがちな車。
そこへ1079ps。
もう神棚に飾るどころか、神棚ごとブーストを掛けて飛ばしている。
ベース車としてのR34 GT-R VスペックⅡ
R34 GT-Rは、国産スポーツカーの中でも別格の存在だ。
RB26DETT。
ATTESA E-TS PRO。
Super HICAS。
6速MT。
そしてBNR34という型式そのものが、今ではほとんどブランド名みたいになっている。
VスペックⅡは、通常のGT-Rよりさらに硬派な立ち位置にある。
カーボンフード、NACAダクト、アルミペダル。
見た目だけでなく、走りに寄せた雰囲気がある。
ただし、辛口で言えば、R34 GT-Rは神話が強すぎる。
車そのものは素晴らしい。
だが、世間の持ち上げ方が少し宗教じみている。
話し言葉で言えば、
「R34は良い車だ。でも“触ったら罰が当たる文化財”みたいに扱うのはちょっと違う」
という感じだ。
RECORD:0は、そこを完全に無視している。
保存ではなく改造。
鑑賞ではなく記録狙い。
これはこれで、かなり正しいGT-Rの使い方だ。
見た目はかなり硬派。青黒が効いている
RECORD:0の外装は、かなり良い。
黒系のボンネット。
ブルーのボディアクセント。
暗めのトーン。
サイドには発光系のグラフィック。
派手だが、安っぽくはない。
R34 GT-Rは元々、線が強い。
そこへ青と黒を合わせると、かなり締まる。
赤や金で派手にするより、こっちの方が“記録狙い”の冷たさが出る。
ただし、サイドの光り物っぽい表現は少しやりすぎ感もある。
GT-Rは黙っていても圧がある。
そこへ「見てくれ、速そうだろ」と言いすぎると、少しだけ子どもっぽくなる。
とはいえ、この車名がRECORD:0なら許せる。
記録車両に地味さを求めすぎるのも違う。
真面目な顔をして、横っ腹に稲妻を走らせてくる。
こういう妙な暑苦しさも、チューニングGT-Rらしい。
2.8L化はかなり筋が通る
ゲーム内の排気量は2,824cc。
これはRB26DETTを2.8L級へ拡大した仕様と見るのが自然だ。
HKSにはRB26DETT用2.8Lキットがあり、BNR34/BCNR33/BNR32向けとして、ボア87.0mm、ストローク77.7mm、排気量2,771ccの構成が示されている。専用クランク、H断面コンロッド、A2618材削り出しピストンなどを使い、RB26の排気量と耐久性を高める方向のメニューだ。
RECORD:0の2,824ccは、HKSの2.8Lキットより少し大きいが、考え方は同じ。
RB26を排気量アップし、大きなタービンを回しやすくする。
下からトルクを出し、上でも伸ばす。
1000ps級を狙うなら、かなり自然な方向だ。
ただし、2.8L化しただけで1000psになるわけではない。
2.8L化は土台。
1079psは、そこから先の地獄である。
1079psは実車で可能か
RB26系で1000ps超え。
方向性としては可能だ。
ただし、これはもう普通のチューニングではない。
エンジン内部、タービン、燃料、冷却、駆動系、ボディ、全部作る必要がある。
必要な内容は以下。
- RB26DETT 2.8L化
- 鍛造ピストン
- 鍛造コンロッド
- 強化クランクシャフト
- 強化メタル
- 強化ヘッドガスケット
- ヘッドスタッド
- 強化バルブスプリング
- ハイカム
- 大容量シングルタービン
- 強化エキマニ
- 外部ウエストゲート
- 大容量インタークーラー
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- フルコン制御
- 強化クラッチ
- 強化ミッション
- 駆動系強化
- 冷却系強化
- ブレーキ強化
- ボディ補強
1079psのR34 GT-Rは、数字としては夢がある。
ただ、現実では“出す”より“使う”方が大変だ。
馬力だけならシャシダイで作れる。
問題は、路面に落とせるか。
何度も踏めるか。
熱で終わらないか。
駆動系が泣かないか。
数字だけ大きいGT-Rは多い。
本当に怖いGT-Rは、踏んだ瞬間にちゃんと前へ出る。
156kgmはかなり凶悪
この車で一番ヤバいのは1079psより156kgmのトルクだ。
4WDだから踏める。
だが、4WDだからこそ負荷が逃げにくい。
クラッチ、ミッション、トランスファー、前後デフ、ドライブシャフト、ハブ、サブフレーム、ボディ。
全部に力が入る。
FRならタイヤが逃げる場面でも、GT-Rは四輪で受け止めようとする。
その結果、部品に負担が来る。
つまり、速い代わりに高いものから順番に悲鳴を上げる。
この仕様で一番ダサいのは、エンジンだけ強くて駆動系が負けること。
1079psのRB。
そして壊れるミッション。
それではRECORD:0ではなく、修理伝票:1である。
実車で作るなら、まず600〜800ps級
現実的に作るなら、まずは600〜800ps級がかなり良い。
必要な内容は以下。
- 2.8Lキット
- スポーツタービンまたは大容量シングル
- 大容量インタークーラー
- アルミラジエーター
- オイルクーラー
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- フルコンまたは高性能ECU
- 強化クラッチ
- 機械式LSD点検
- 車高調
- ブレーキ強化
- ハイグリップタイヤ
このくらいでもR34 GT-Rは十分に速い。
むしろ、公道寄りや高速ステージまで考えるなら、600〜800psの方がかなりまとまりを作りやすい。
1000ps超えは夢がある。
だが夢には熱、燃料、駆動系、セッティング、工賃が付いてくる。
しかも全部高い。
R34 GT-Rという時点で、もう財布への暴力性は十分に高い。
RECORD:0再現の1000ps超え仕様
RECORD:0を実車で再現するなら、完全に本気仕様になる。
必要な内容は以下。
- RB26改2.8L以上
- N1ブロックまたは強化ブロック
- 鍛造ピストン
- H断面コンロッド
- フルカウンタークランク
- 強化メタル
- ヘッド加工
- ハイカム
- 強化バルブスプリング
- 大容量シングルタービン
- 外部ウエストゲート
- 大容量インタークーラー
- サージタンク
- ビッグスロットル
- 大容量燃料系
- フルコン制御
- ドグミッションまたは強化6速
- 強化トランスファー
- 前後LSD
- 強化ドライブシャフト
- 大径ブレーキ
- ロールケージ
- ボディ補強
ここまでやって、ようやくRECORD:0の領域が見えてくる。
この仕様は、ただのストリートチューンではない。
R34 GT-Rの形をした、記録狙いのフルチューンマシンである。
タービン・吸排気
1079psを狙うなら、大容量シングルタービンが自然だ。
必要なパーツは以下。
- 大容量シングルタービン
- ツインスクロールエキマニ
- 外部ウエストゲート
- 大径フロントパイプ
- 低排圧マフラー
- 大容量インタークーラー
- サージタンク
- ビッグスロットル
- 大容量サクション
- ブーストコントローラー
- フルコン制御
RB26のツインターボ感を残すなら大容量ツインもあり。
ただ、1000ps超えを狙うなら、シングルタービンの方が構成は整理しやすい。
問題はレスポンスだ。
大きすぎるタービンを付けると、下が眠くなる。
2.8L化する意味は、そこを少しでも補うことにある。
GT-Rは4WDだから、タービンが乗った時の加速はかなり強い。
だが、乗るまでが退屈な車になると少し寂しい。
記録狙いならそれでもいい。
走りの気持ちよさまで求めるなら、タービン選びはかなり重要だ。
冷却系
この仕様で冷却を甘く見るのはかなり危ない。
必要な内容は以下。
- 大容量アルミラジエーター
- 大容量インタークーラー
- ツインオイルクーラー
- パワステクーラー
- ミッションオイルクーラー
- トランスファークーラー
- デフオイルクーラー
- 強化ラジエーターホース
- 導風板
- ボンネットダクト
- フェンダーダクト
- 水温計
- 油温計
- 油圧計
- 排気温計
- 吸気温管理
NISMOのR34 GT-R Z-tune用エアロパーツは、高出力エンジンと高性能ブレーキの冷却性能を確保しながら、ダウンフォースを増やす設計と説明されている。フロントバンパーも、インタークーラー、オイルクーラー、ブレーキ冷却用のエアインレットを効果的に配置する思想で作られている。
RECORD:0も、この方向で作るのが自然だ。
見た目のための穴ではなく、冷やすための穴。
飾りのダクトではなく、風を通すダクト。
1000ps級GT-Rで熱に負けるのは、かなり情けない。
エンジンより先に水温計が勝負を決める車は、記録狙いとして少し寂しい。
燃料系
1000ps超えなら、燃料系は完全に本気仕様になる。
必要な内容は以下。
- 大容量燃料ポンプ
- ツインポンプ化
- トリプルポンプ化
- 大容量インジェクター
- 燃料レール
- 燃圧レギュレーター
- 強化燃料ライン
- リターン式燃料系
- E85対応も視野
- 空燃比管理
- ノック管理
- フルコン制御
RB26は強い。
だが燃料不足には勝てない。
高ブーストで燃料が薄い。
それはチューニングではない。
エンジンに対する嫌がらせである。
RECORD:0のような仕様では、ログを見ながら燃料、点火、ブースト、吸気温を詰める必要がある。
この地味な作業をやらないと、1000psはただの短命な花火になる。
駆動系
156kgmを4WDで受けるなら、駆動系は最重要項目だ。
必要な内容は以下。
- ツインプレートクラッチ
- トリプルプレートクラッチ
- ドグミッション
- 強化6速ミッション
- 強化トランスファー
- 前後LSD
- 強化プロペラシャフト
- 強化ドライブシャフト
- 強化ハブ
- 強化デフマウント
- 強化エンジンマウント
- 強化ミッションマウント
- ミッションオイル管理
- トランスファーオイル管理
- デフオイル管理
BNR34の6速は魅力だ。
だが1079ps・156kgm級なら、純正感覚で扱う領域ではない。
4WDは前へ出る。
その代わり、壊れる時もかなり真面目に壊れる。
タイヤが滑って終わりではなく、駆動系が全部受ける。
この車を作るなら、エンジンよりも先に駆動系を信用できる状態にしたい。
RBだけ元気で、ミッションが先に辞表を出すGT-Rは見たくない。
足回り
RECORD:0は、足回りをかなり作り込む必要がある。
必要なパーツは以下。
- 全長調整式車高調
- 減衰調整付きダンパー
- ピロアッパー
- 調整式アーム
- 強化スタビライザー
- ピロブッシュ
- ハイグリップタイヤ
- アライメント調整
- コーナーウェイト調整
R34 GT-Rは、重さもパワーもある。
だから、ただ硬い足ではダメだ。
必要なのは、四輪で路面を掴む足。
フロントが入る。
リアが粘る。
立ち上がりで四輪が逃げずに前へ出る。
この状態を作って初めて、1079psが意味を持つ。
足が負けている1000ps GT-Rは、かなり怖い。
速いというより、人間が車にお願いしながら走る感じになる。
ブレーキ
この仕様なら、ブレーキも本気で作る必要がある。
必要な内容は以下。
- 6pot級フロントキャリパー
- 4pot級リアキャリパー
- 大径2ピースローター
- 高性能ブレーキパッド
- ステンメッシュホース
- 高沸点ブレーキフルード
- ブレーキダクト
- ABSとの相性確認
R34 GT-Rは速くできる。
だからこそ止める部分をケチると一気に車が安くなる。
1000ps超えでブレーキが弱い。
それは笑えない。
しかもGT-Rは4WDで重さもある。
止まる力は、馬力と同じくらい重要だ。
記録を狙うなら、止まるところまで記録級に作りたい。
ボディ補強
RECORD:0でかなり重要なのがボディ補強だ。
BNR34は元々しっかりした車だが、1000ps超え、156kgm、ハイグリップタイヤ、強いブレーキを入れるなら、ボディ側も作る必要がある。
フロントまわり
- フロントストラットタワーバー
- フロントロアブレース
- フロントメンバーブレース
- ステアリングラック周辺補強
- フロントサスペンション取付部点検
- フロントクロスメンバー補強
NISMOのアンダーフロア補強バーは、BNR34にも設定されており、フロア下部を補強して車体のねじれ剛性と曲げ剛性を高め、リニアで安定した挙動を狙うパーツとして説明されている。
フロントがヨレると、GT-Rはかなり鈍くなる。
重いRBと4WDを積んだ車だからこそ、フロントまわりの剛性感は大事だ。
センター・フロアまわり
- センターフロア補強
- フロアブレース
- トンネル補強
- サイドシル補強
- ジャッキアップポイント確認
- スポット増し
- シーム溶接
- アンダーパネル固定強化
GT-Rは四輪で強烈に路面を掴む。
その分、ボディにもねじれが入る。
外装だけ青黒で格好良くしても、床下が疲れていると一気に説得力が落ちる。
見えないところに手が入っているGT-Rは強い。
見えるところだけ派手なGT-Rは、正直いくらでもいる。
リアまわり
- リアメンバーブレース
- リアタワーバー
- デフマウント強化
- サブフレームブッシュ交換
- リアアーム類リフレッシュ
- リアウイング取付部補強
NISMOのリアメンバーブレースはBCNR33/BNR34に対応し、リアサスペンション構造へ装着することで剛性を高め、たわみによるアライメント変化を抑え、コーナリングやトラクションを改善する狙いのパーツとされている。
RECORD:0のような高出力4WDでは、リアの安定感がかなり大事だ。
立ち上がりでリアが落ち着かないと、パワーを路面に落とせない。
ロールケージ
1000ps超えなら、ロールケージもかなり現実的な選択肢になる。
- 6点式
- 8点式
- サイドバー追加
- ダッシュ逃げ
- ダッシュ貫通
- リアストラット接続
- フロントストラット接続
- スポット増しとの併用
街乗り寄りなら6点。
サーキットや記録狙いなら8点以上。
RECORD:0という名前で1000ps超えを狙うなら、ケージまで含めて作った方が車として筋が通る。
GT-Rは神棚に飾る車ではない。
踏むなら骨まで作るべきだ。
外装を実車で再現するなら
RECORD:0風にするなら、外装はかなり作りやすい方向だ。
必要な内容は以下。
- 黒系カーボンボンネット
- ブルー系ラッピング
- サイドグラフィック
- フロントリップ
- カナード
- サイドステップ
- リアウイング
- Z-tune風フロントバンパー
- Z-tune風フロントフェンダー
- アンダーカバー
- 鍛造ホイール
- ローダウン
NISMOのBNR34用Z-tuneエアロは、フロントバンパー、フロントフェンダー、フロントアンダーカバーなどが設定されており、冷却とダウンフォースを高める思想がある。RECORD:0の方向性にもかなり合う。
実車でやるなら、サイドの発光風グラフィックは少し抑えてもいい。
GT-Rは元の形が強い。
青黒の組み合わせだけで十分に怖い。
おすすめは、
黒カーボンボンネット、深いブルー、控えめなサイドグラフィック、機能重視のエアロ。
見た目で叫ばず、中身で殴る。
RECORD:0にはその方が似合う。
辛口総評
RECORD:0は、R34 GT-R VスペックⅡをベースにした、かなり本気の1000ps級カスタムだ。
RB26DETTを2.8L級へ拡大し、大容量タービンで1079ps、156kgm級まで持ち上げる。
4WDでそれを受け止める。
字面だけでかなり重い。
外装は青黒でかなり硬派。
派手さはあるが、R34 GT-Rの形に合っている。
ただし、サイドの光り物風グラフィックは少し喋りすぎ。
本当に速いGT-Rは、そこまで自己紹介しなくても怖い。
辛口で言えば、R34 GT-Rは神格化されすぎている。
だがRECORD:0は、その神格化を気にせず走り側へ振り切っている。
これはかなり良い。
要するにこの車は、
R34 GT-R VスペックⅡをRB28化し、1000ps超えまで叩き上げた記録狙いの4WDターボマシンだ。
雑に作れば、数字だけ大きいGT-R。
きっちり作れば、かなり恐ろしい青黒の怪物になる。
RECORD:0。
名前は冷たい。
中身は熱い。
そして本当に作るなら、財布と駆動系が先に記録更新する一台である。