
REX EX MACHINAとは
REX EX MACHINA。
名前からして、もう車というより機械仕掛けの王様である。
ベース車は、見た目とシルエットから見て日産 NISSAN GT-R Premium edition(R35)’17と思われる。
R35特有の大柄なボディ、短いリアデッキ、厚みのあるフロント、そしてVR38DETT搭載車らしい雰囲気。
ただし、外装はかなり変わっている。
白、赤、ミントグリーン系のライン。
大型フロントバンパー。
カナード。
巨大リアウイング。
ボンネットのメカニカルなグラフィック。
正直、純正R35の上品さはかなり消えている。
その代わり、ゲーム内ボス車らしい“威圧感”はしっかりある。
R35 GT-Rは、2017年モデルでVR38DETT型3.8LツインターボV6を搭載し、日本仕様では最高出力570PS、最大トルク637N・mを発生するモデルとして扱われている。つまり、ベースの時点で十分に速い。そこへREX EX MACHINAは、さらに675ps級まで盛っている。普通の人ならここで止める。だが、この車は止める気がない。
ベース車としてのR35 GT-R
R35 GT-Rは、歴代スカイラインGT-Rとはかなり違う。
R32、R33、R34の延長線というより、完全に別枠のスーパースポーツだ。
RB26ではなくVR38DETT。
スカイラインではなく、独立したNISSAN GT-R。
6速DCT、電子制御4WD、強烈なトラクション。
“職人技のFRスポーツ”ではなく、電子制御込みで速さを作る車だ。
ここがR35の面白いところでもあり、嫌われるところでもある。
往年のGT-R好きからすると、少し機械が賢すぎる。
でも速さだけで見れば、かなり合理的だ。
話し言葉で言えば、
「R34が職人の包丁なら、R35は業務用レーザーカッター」
みたいな車である。
味は違う。
でも切れる。
しかもかなり切れる。
外装はかなりサイバー寄り
REX EX MACHINAの外装は、かなり派手だ。
白ベースに赤とミントグリーンのライン。
フロントまわりは開口部が大きく、カナードも大きい。
ボンネットのグラフィックは、エンジンや基板をイメージさせるようなデザイン。
車名の“EX MACHINA”と合わせて、完全に機械・AI・サイバー系の方向に振っている。
これはこれで筋が通っている。
R35は元から“電子制御の塊”みたいな車なので、こういう機械感のある外装とは相性がいい。
ただし、辛口で言えば少し情報量が多い。
R35は元のボディがかなり強い。
そこへカナード、大型ウイング、派手なライン、メカ柄を全部乗せすると、やや喋りすぎる。
「速そう」ではなく「速いって言ってくれ」と言っている感じがある。
でも、名前がREX EX MACHINAなら、このくらい振り切っていても成立する。
地味なR35にこの名前を付けても、ただの設定負けになる。
675psは実車で可能か
VR38DETTで675ps。
これはかなり現実的な数字だ。
R35 GT-Rは、1000ps超えのチューニング例も多い車種なので、675ps級はフルチューンというより強めのストリート仕様として見られる領域だ。HKSにはR35 GT-R向けにGT1000、GT1000+系のフルタービンキットも存在し、VR38DETTで1000ps級を狙うためのメニューが用意されていた。REX EX MACHINAの675psは、その手前のかなり扱いやすい高出力仕様と考えられる。
実車で675psを狙うなら、純正タービン強化または小〜中容量タービン交換、吸排気、燃料、ECU、冷却をきちんと作る形になる。
必要な内容は以下。
- ECU現車合わせ
- ブーストアップ
- 大容量インタークーラー
- スポーツキャタライザー
- 低排圧マフラー
- 強化サクションパイプ
- 大容量燃料ポンプ
- インジェクター強化
- 強化クラッチ対策
- ミッション制御最適化
- 冷却系強化
675psなら、R35としてはかなり美味しい。
無茶な数字ではなく、車全体のまとまりを残しやすい。
R35は元の完成度が高いから、雑に大改造するより、純正の強さを活かして伸ばす方が速い。
FR化するか、4WDのまま行くか
ゲーム内ではFR設定に見えるが、実車のR35 GT-Rは本来4WDだ。
ここはかなり大きい。
R35の強さは、VR38DETTだけではない。
4WDとDCT、電子制御でパワーを路面に落とすところに価値がある。
だから実車でREX EX MACHINA風に作るなら、基本は4WDのまま仕上げる方がいい。
FR化も不可能な方向ではない。
ドリフト仕様や特殊な競技車ならあり得る。
ただし、R35らしさはかなり薄くなる。
R35をFRにした瞬間、GT-Rというより「GT-Rの皮を被った別の車」になる。
それはそれで面白いが、675ps級なら4WDのまま踏める仕様にした方が完成度は高い。
R35の電子制御を捨てるのは、スマホから電話機能だけ抜き取って「これで軽くなった」と言うようなものだ。
いや、そこが本体だろ、という話である。
実車で作るならまず650〜750ps級
REX EX MACHINAを現実に寄せるなら、650〜750ps級がちょうどいい。
この領域なら、R35の強みを残しながらかなり速い車にできる。
必要なパーツは以下。
- ECUセッティング
- EVC/ブーストコントローラー
- 大容量インタークーラー
- 大容量ラジエーター
- オイルクーラー
- 強化燃料ポンプ
- インジェクター
- スポーツキャタライザー
- チタンまたはステンレスマフラー
- 強化DCTクラッチ
- ミッションオイルクーラー
- デフオイルクーラー
- ハイグリップタイヤ
R35は、エンジンだけ触って終わる車ではない。
DCT、冷却、タイヤ、ブレーキ、アライメント。
全部がつながって速さになる。
この車で一番やってはいけないのは、馬力だけ上げて他を放置すること。
それはチューニングではなく、GT-Rの良さを雑に消費しているだけだ。
1000ps級にするなら別世界
REX EX MACHINAをさらに突き詰めて1000ps級へ持っていくなら、話は一気に重くなる。
必要な内容は以下。
- VR38DETTエンジンOH
- 鍛造ピストン
- 鍛造コンロッド
- 強化クランクシャフト
- 強化ヘッドガスケット
- ヘッドスタッド
- 強化バルブスプリング
- 大容量タービン
- 強化エキマニ
- 大容量インタークーラー
- 大容量燃料系
- フルコンまたは高度なECU制御
- 強化DCTクラッチ
- 強化ギア
- 強化トランスファー
- 強化ドライブシャフト
- 冷却系総強化
HKSのGT1000+系キットでも、吸排気効率を高めるための専用サクションパイプやチャンバーパイプなどが設計されており、1000ps級ではタービン単体ではなく周辺レイアウトまで作る必要がある。つまり、数字だけの世界ではない。空気、燃料、熱、駆動、全部を作る世界だ。
ただし、REX EX MACHINAの雰囲気なら1000ps級も似合う。
名前が名前だ。
機械仕掛けの王を名乗るなら、それくらいの狂い方は許される。
冷却系
R35で高出力を狙うなら、冷却はかなり重要だ。
必要な内容は以下。
- 大容量ラジエーター
- 大容量インタークーラー
- オイルクーラー
- ミッションオイルクーラー
- デフオイルクーラー
- パワステクーラー
- 導風板
- ボンネットダクト
- フェンダーダクト
- 水温計
- 油温計
- 油圧計
- 吸気温管理
R35は速い。
だが速い車ほど熱が出る。
特にDCTは熱管理が大事で、ミッション油温が上がるとせっかくの性能が使いにくくなる。
この外装はフロント開口部がかなり大きい。
なら、飾りではなく冷却に使いたい。
光るラインより、風の通り道。
派手なグラフィックより、吸気温。
ここを作れる車が本当に速い。
駆動系
R35は4WDとDCTが強み。
だから駆動系は絶対に軽く見ない方がいい。
必要な内容は以下。
- 強化DCTクラッチ
- ミッション制御最適化
- ミッションオイルクーラー
- 強化トランスファー
- 前後デフオイル管理
- 強化ドライブシャフト
- 強化ハブ
- エンジンマウント強化
- ミッションマウント強化
675ps級なら、DCTの状態管理がかなり重要になる。
1000ps級なら、さらに強化が必要。
R35は踏める。
踏めるからこそ負担が逃げない。
FRならタイヤが滑って終わる場面でも、R35は四輪で前へ出ようとする。
その分、駆動系にはきっちり負荷が来る。
R35で一番恥ずかしいのは、エンジンは元気なのにミッションが先に音を上げるパターンだ。
機械仕掛けの王様が、変速機で泣くのは少し締まらない。
足回り
REX EX MACHINAの外装はかなり攻撃的。
だから足回りもそれに合わせたい。
必要なパーツは以下。
- 全長調整式車高調
- 減衰調整付きダンパー
- 強化スタビライザー
- ピロアッパー
- 調整式アーム
- ピロブッシュ
- ハイグリップタイヤ
- アライメント調整
- コーナーウェイト調整
R35は重い。
だから硬くすれば速い、という単純な車ではない。
重要なのは、四輪をきちんと接地させること。
フロントが入る。
リアが粘る。
立ち上がりで4WDが路面を掴む。
この流れを作る。
NISMOのR35用スポーツサスペンションキットも、サーキット走行を主眼にOHLINSベースで専用チューニングされたものとして展開されている。R35は足を作ると、電子制御と車体の良さがかなり活きる。
ブレーキ
R35で675ps級にするなら、ブレーキもかなり重要だ。
必要な内容は以下。
- 大径2ピースローター
- 6pot級フロントキャリパー
- 4pot級リアキャリパー
- 高性能ブレーキパッド
- ステンメッシュホース
- 高沸点ブレーキフルード
- ブレーキダクト
- ABSとの相性確認
R35は速いだけではない。
重い。
だから止める部品をケチると一気に怖い車になる。
速いけど止まらないGT-R。
それはもうGT-Rではなく、ちょっと高級な質量兵器である。
REX EX MACHINAのような外装なら、ブレーキも見える。
見えるなら、ちゃんとしたものを入れたい。
見た目だけ大口径、効きは普通。
それは少し寒い。
ボディ補強
R35は元から剛性が高い車だが、高出力化するなら補強は有効だ。
2017年モデルのGT-Rは、ボディ/シャシー剛性の強化、サスペンション効率の改善、横剛性を高めたタイヤなどによって、ハンドリング、安定性、快適性を向上させたモデルとして紹介されている。つまり、日産自身もR35の進化で“ボディと足の一体感”を重視していた。
フロントまわり
- フロントストラットタワーバー
- フロントロアブレース
- フロントメンバーブレース
- ステアリングラック周辺補強
- フロントサスペンション取付部点検
- フロントアンダーパネル固定強化
フロントは、ブレーキングとターンインの土台。
ここが曖昧だと、重いR35は一気に鈍くなる。
センター・フロアまわり
- フロアブレース
- センターブレース
- トンネル補強
- サイドシル補強
- ジャッキアップポイント確認
- アンダーパネル補強
- スポット増し
- シーム溶接
高出力R35は、エンジンパワーよりもボディ全体のまとまりが大事になる。
外装だけサイバーにしても、床下が甘いと走りが薄い。
リアまわり
- リアタワーバー
- リアメンバーブレース
- デフマウント強化
- サブフレームブッシュ強化
- リアアーム類リフレッシュ
- リアウイング取付部補強
大型リアウイングを付けるなら、取付部はしっかり補強したい。
ウイングは飾りではない。
速度域が上がれば、リアに荷重を作る部品になる。
羽だけ立派で、取付部が甘い。
それはかなり残念だ。
機械仕掛けの王様というより、羽を背負った見栄っ張りになる。
ロールケージ
本気で走るならロールケージも選択肢に入る。
- 4点式
- 6点式
- 8点式
- サイドバー追加
- ダッシュ逃げ
- ダッシュ貫通
- スポット増しとの併用
街乗り兼用なら4点〜6点。
サーキット寄りなら6点以上。
1000ps級を狙うなら、ケージまで入れた方が車として筋が通る。
外装を実車で再現するなら
REX EX MACHINA風にするなら、外装はかなり攻めた方向になる。
必要な内容は以下。
- ワイドボディキット
- 大開口フロントバンパー
- フロントカナード
- フロントリップ
- ダクト付きボンネット
- サイドステップ
- リアディフューザー
- 大型リアウイング
- 白ベースのラッピング
- 赤・ミントグリーン系ライン
- 鍛造ホイール
- ハイグリップタイヤ
NISMOのR35 GT-R NISMOでも、SUPER GT由来の技術をフィードバックした空力デザインが採用され、強化されたパワーやサスペンション、増大したダウンフォースに対応するためのボディチューニングが施されている。REX EX MACHINAも、見た目だけでなく空力と冷却を意識して作ると説得力が出る。
実車でやるなら、光り物やグラフィックは少し抑えてもいい。
R35は形だけで十分に強い。
サイバー感を出すなら、ラインの色数を絞った方が締まる。
おすすめは、
白ベース、黒カーボン、赤の差し色、ミントグリーンは細いラインで使う。
全部を光らせると、車ではなくゲーミングPCになる。
まあ、それはそれで嫌いではないが。
辛口総評
REX EX MACHINAは、R35 GT-R Premium editionをベースにしたサイバー系ハイパフォーマンスカスタムだ。
VR38DETTを675ps級まで伸ばし、派手なワイドエアロと大型ウイングで武装する。
R35の電子制御感と“機械仕掛け”のコンセプトがかなり合っている。
辛口で言えば、外装は少し喋りすぎ。
メカ柄、赤ライン、ミントグリーン、巨大エアロ。
全部乗せなので、見る側に考える余白が少ない。
だが、R35ならこの過剰さを受け止められる。
元から普通のスポーツカーではない。
電子制御とDCTと4WDで速さを作る、かなり機械的な車だ。
要するにこの車は、
R35 GT-Rの機械的な速さを、見た目までサイバー化した675ps級カスタムだ。
雑に作れば、派手なだけのゲーミングGT-R。
きっちり作れば、かなり迫力のある現代型ハイパフォーマンスマシンになる。
REX EX MACHINA。
名前は大げさ。
見た目も大げさ。
だがR35 GT-Rなら、その大げささを力で押し通せる。
問題は、車より先にオーナーの財布がシステムエラーを起こすことだ。