
■ 基本スペック (ノーマル時)
項目 | スペック |
メーカー | 三菱 |
駆動方式 | 4WD |
エンジン | 4G63 直列4気筒 ターボ |
総排気量 | 1,997cc |
最高出力 | 280ps / 6,500rpm |
最大トルク | 38.0kgf・m / 3,000rpm |
全長×全幅×全高 | 4,350×1,770×1,415mm |
車両重量 | 1,360kg |
トランスミッション | 5速MT |
■ ゲーム内での特性・オススメセッティング
特性: 世界ラリー選手権(WRC)を戦うために生まれた、ホモロゲーションモデル。エボIVから進化したシャシーに、初めて3ナンバーワイドボディを採用。トレッド(左右のタイヤ間隔)を広げ、コーナリング性能を劇的に向上させた。 最大の特徴は、後輪の左右の駆動力を電子制御する「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」。4WDの弱点であったアンダーステアを打ち消し、まるでFRのようにアクセルで向きを変える、異次元のコーナリングを可能にする。その走りは、速さを追求するだけの、極めて戦闘的で無慈悲なもの。
オススメセッティング:
- ライトチューン向け (Lv.3程度)
- 方向性: ラリーカーのポテンシャルを、首都高のステージに適合させる。
- パワーユニット: 伝説の4G63エンジンは、ECUの書き換えとブーストアップだけで、簡単に350psオーバーを叩き出す。
- 駆動系: センターデフをよりアグレッシブな設定にすることで、AYCとの相乗効果でさらに回頭性が向上する。
- ブレーキ: ブレンボ製キャリパーを標準装備するが、パッドとローターを交換し、絶対的な制動力を高めたい。
- フルチューン向け (Lv.MAX)
- 方向性: 首都高の全天候型・絶対王者へ。
- パワーユニット: パワーユニットを最大まで強化し、2.2L化+大型タービンで600psオーバーを目指す。4WDによるトラクションで、そのパワーを余すことなく路面に伝える。
- 軽量化: 徹底的な軽量化で、戦闘機のような運動性能を手に入れる。
- サスペンション: AYCの効果を最大限に引き出すため、サスペンションセッティングは非常に重要。路面に吸い付くような、硬めながらもしなやかな足を目指す。
■【評価と立ち位置】
- 国内での評判:『ラリーが生んだ、最強の戦闘機』 スバル・インプレッサWRXと共に、90年代のラリーシーンと走り屋文化を席巻した絶対的な王者。特に、エボVの持つ獰猛なスタイリングと、AYCがもたらす革新的な走りは、当時の若者にとって憧れの的だった。「ランエボ」というブランドを、不動の伝説へと押し上げた記念碑的なモデル。
- 国外での評判:『WRCの英雄、トミ・マキネンの相棒』 WRCでのトミ・マキネンの大活躍により、その名は世界中に轟いた。特にラリーが盛んな欧州では、その圧倒的なパフォーマンスから神格化されている。当時正規販売されていなかった北米市場では、ゲームなどを通じてその存在を知ったファンから「禁断の果実」として渇望された。
- ゲーム内での評価:『グリップの悪魔』 ドライ・ウェットを問わず、あらゆる路面で驚異的なグリップ性能を発揮する「グリップの悪魔」。AYCを駆使したコーナリングは、他のどんなクルマとも違う独特の感覚。アクセルを踏み込むだけで、クルマが勝手にインを向いてくれるような、魔法の絨毯のような走りを見せる。C1や新環状のようなテクニカルコースでは、無類の強さを誇る。
■ 辛口コラム:泥の中から、王冠を掴んだ雑草
美しいクーペでも、高貴なスーパーカーでもない。その出自は、どこにでもある大衆的なファミリーセダンだ。 だが、その平凡な体に、三菱は狂気とも言えるほどの兵器を詰め込んだ。ラリーという、泥と汗にまみれた戦場で勝つためだけに。 張り出したブリスターフェンダーは、筋肉のように隆起し、巨大なリアウィングは、獲物を狙う猛禽類の翼のようだ。その全てに、装飾という概念はない。あるのは「速く走る」という、ただ一つの目的だけ。 ランエボは、生まれながらのエリートではない。泥の中から這い上がり、自らの力で速さを証明し、世界の頂点に立った、雑草のようなクルマだ。その無骨なまでの機能美こそ、我々がランエボに惹かれてやまない理由なのである。