【車両紹介】ホンダ NSX Type S Zero (NA2) '97

■ 基本スペック (ノーマル時)

■ ゲーム内での特性・オススメセッティング

特性： 世界初のオールアルミボディを持つ、日本が誇るミッドシップスーパーカー。その中でも「タイプSゼロ」は、快適装備を全て取り払い、足回りを徹底的に硬め上げた、サーキット直系の超硬派モデル。 V6エンジンをミッドシップに搭載し、重量配分は理想的。MRレイアウトのトラクション性能と、FRのような素直なコントロール性を両立している。挙動は極めてシャープだが、S2000(AP1)のような唐突さはなく、ドライバーの操作にどこまでも正確に反応する。乗り手を選ぶのではなく、乗り手の技量を試す、懐の深いマシン。

オススメセッティング（B案）：

• ライトチューン向け (Lv.3程度)
  • 方向性: 本来のポテンシャルを解放し、現代のタイヤ性能に適合させる。
  • タイヤ・ブレーキ: Sタイヤ（セミスリック）と、レーシングブレーキシステムへの交換が最優先。シャシー性能を100%活かすための前提条件。
  • 吸排気系: チタン製のエキマニとマフラーに交換するだけで、C32BエンジンはF1にも通じる、澄んだ快音を奏でるようになる。
  • サスペンション: タイプSゼロの足は硬すぎるため、一度フルカスタムサスに交換し、首都高の路面に合わせた減衰力に調整すると、かえってタイムが向上する場合がある。
• フルチューン向け (Lv.MAX)
  • 方向性: 現代のスーパーカーとも渡り合える、究極のNAレスポンスマシンへ。
  • パワーユニット: パワーユニットを最大まで強化し、3.5Lまでボアアップ。独立スロットル化すれば、NAながら500psに迫るパワーと、右足に吸い付くようなレスポンスを手に入れられる。
  • ボディ: 徹底的な軽量化と、GTマシン譲りの空力パーツを装着。ダウンフォースを味方につけ、異次元のコーナリングスピードを実現する。
  • 駆動系: シーケンシャルミッション化も視野に入る。

■【評価と立ち位置】

• 国内での評判：『日本の至宝』 バブル期の技術と情熱が生み出した、日本の自動車史における最高傑作の一つ。F1ドライバーのアイルトン・セナが開発に携わった逸話はあまりにも有名。タイプSゼロは、NSX-R（NA1）の精神を受け継ぐNA2世代のピュアスポーツ仕様として、コレクターズアイテムとなっている。
• 国外での評判：『スーパーカーの概念を変えた革命機』 「フェラーリやポルシェのように速く、かつホンダ車のように壊れない」。NSXの登場は、それまで「官能的だが壊れやすい」のが当たり前だったスーパーカーの世界に、品質と信頼性という新たな価値基準を持ち込んだ革命だった。マクラーレンF1の設計者ゴードン・マレーが、開発のベンチマークとしてNSXを愛用した話は、このクルマの素性の良さを物語っている。
• ゲーム内での評価：『精密機械の如きコーナリングウェポン』 GT-Rやスープラが「剛剣」なら、NSXは「名刀」。圧倒的なパワーでねじ伏せるのではなく、計算され尽くしたコーナリングラインでライバルを抜き去る。その走りは芸術的ですらある。MRレイアウトとV6エンジンの組み合わせは、C1から湾岸線まで、あらゆるステージで最高のパフォーマンスを発揮する。乗り手のスキルがそのままタイムに反映されるため、自らの腕を磨くには最高の相棒となるだろう。

■ 辛口コラム：色褪せない「アナログの極致」

ターボ、ハイブリッド、パドルシフト、電子制御デバイス。現代のスーパーカーは、速くなるために多くの「知性」を身につけた。その結果、誰が乗っても、ある程度は速く走れてしまう。 NSX、特にこのタイプSゼロはその対極にいる。エアコンも、パワステも、余計な電子制御もない。そこにあるのは、アルミのボディ、魂を揺さぶるNAエンジン、そしてドライバーの腕だけだ。これは、便利さや安楽さと引き換えに、クルマと対話する喜びを追求した、90年代という時代が生んだ「アナログの極致」なのだ。 古臭い？そうかもしれない。だが、あらゆるものがデジタル化されていく現代だからこそ、この不器用で、人間臭いスーパーカーの存在は、宝石のように輝いて見える。速さの向こう側にある「楽しさ」という名のゴールへ。NSXは、いつの時代も我々をそこへ導いてくれるのだ。