デモキットカー

BOMEX Racing GT CONCEPT V001は“見た目だけのスープラ”ではない|JZA80の歴史とレース戦歴まで解説

BOMEX Racing GT CONCEPT V001(JZA80スープラベース)

BOMEX Racing GT CONCEPT V001は、トヨタ・スープラ RZ(JZA80)をベースに、BOMEXらしい攻撃的なエアロで仕立てたデモキットカーだ。『首都高バトル』では見た目のインパクトが先に立つが、この車を面白くしているのは、ベースとなるA80スープラ自体が1990年代の日本車史とモータースポーツ史のど真ん中にいることだ。

BOMEX Racing GT CONCEPT V001とは

ベース車はJZA80型スープラ。FRレイアウト、3.0L直列6気筒ツインターボの2JZ-GTE、6速MTという骨格は、当時の国産スポーツの中でもかなり贅沢なものだった。BOMEX仕様では、そのロングノーズとワイドなボディをさらに強調するエアロが与えられ、ノーマルとは別物の存在感を持つ。

ここで重要なのは、エアロ装着車だからといって、ゲーム内で必ずノーマルより大幅に高いダウンフォースや旋回性能を得ると断定しないことだ。外観上はGTカー的な意匠を持つが、実際のゲーム挙動はゲーム側の車両データとセッティングに依存する。本記事では、見た目のキャラクターと実車史、ゲーム内での扱いやすさを分けて考える。

ベース車JZA80スープラの成り立ち

A80スープラは1993年に登場した。国内では2代目スープラ、海外の系譜では4代目にあたる。先代A70より全長とホイールベースを短くしながらトレッドを広げ、4輪ダブルウィッシュボーン、大容量ブレーキ、太いタイヤを組み合わせた本格的なFRスポーツとして開発された。

最上級の走りを担ったRZには2JZ-GTE型3.0L直列6気筒ツインターボとゲトラグ製6速MTを搭載。国内仕様は当時の自主規制に合わせて280PSとされたが、エンジン本体の頑丈さとチューニング耐性の高さによって、後年は世界的な改造ベースとして知られるようになった。

基本スペック(ベース車)

項目内容
ベーストヨタ スープラ RZ(JZA80)
駆動方式FR
エンジン2JZ-GTE 直列6気筒ツインターボ
排気量2,997cc
最高出力280PS / 5,600rpm(国内仕様代表値)
トランスミッション6速MT
全長4,520mm
全幅1,810mm
全高1,275mm

スープラのレース戦歴はかなり濃い

A80スープラを語るなら、ストリートだけで終わらせるのはもったいない。トヨタはこの世代のスープラを国内外のモータースポーツに投入しており、ル・マン24時間レースにも参戦した。

日本では全日本GT選手権(JGTC)のGT500クラスでスープラが長く主力を務めた。特に1997年は象徴的で、カストロール・トムス・スープラがドライバーズタイトルを獲得。スープラにとって初のJGTC王座となった。最終戦SUGOでは5ZIGEN SUPRAも優勝しており、当時のGTシーンでA80が単なる市販スポーツではなく、トヨタの競技イメージを背負う存在だったことが分かる。

A80の市販車生産は2002年に終了したが、GT500のスープラはその後も2005年まで第一線で戦った。市販終了後もレース車として生き続けたこと自体、この車のブランド力の強さを物語っている。

なぜBOMEX仕様が似合うのか

A80スープラはもともとボディが大きく、丸みのある量感的なデザインを持つ。そのため、フロントスポイラーやサイドステップ、リアウイングを追加しても造形が負けにくい。BOMEXのような派手なエアロとの相性がよく、1990年代後半から2000年代初頭のチューニングカー文化を象徴する一台になった。

一方で、旧稿のように「エアロを付けたから高速コーナー性能が劇的に向上する」と言い切るのは危険だ。市販エアロの見た目と、実際の競技用空力性能は別物だからだ。BOMEX仕様の魅力は、まずA80の持つGTカー的な雰囲気をストリートカーへ落とし込んだ造形にある、と見るのが自然だろう。

『首都高バトル』での立ち位置

ゲーム内では、JZA80らしい直線の伸びとFRらしい挙動を楽しむタイプの車として考えると分かりやすい。高出力化した際にはトラクション管理が重要になり、コーナー脱出でアクセルを雑に開けるより、リアの荷重を意識して丁寧に立ち上がる方が速さにつながる。

セッティングでは、いきなり最高出力だけを追うより、タイヤ、ブレーキ、サスペンション、ギア比を先に整える方が扱いやすい。特にC1のように加減速と方向転換が続く区間では、パワーだけのスープラより、止まって曲がれるスープラの方が結果的に速い。

この車の価値は「90年代GT文化の交差点」にある

BOMEX Racing GT CONCEPT V001は、単に派手なスープラではない。ベースには2JZ-GTEを積むA80スープラがあり、その背後にはル・マンやJGTCで積み重ねた競技イメージがある。そして外側には、1990年代から2000年代にかけて大きく広がった日本のエアロ・チューニング文化が重なる。

速さだけで選ぶなら他にも候補はある。しかし、実車の歴史、レースでの実績、チューニング文化まで含めて一台を味わいたいなら、このBOMEXスープラはかなり面白い。『首都高バトル』という舞台にもよく似合う、時代性の強い一台だ。

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