ホンダ

【車両紹介】ホンダ インテグラ タイプR (DC2) '99

■ 基本スペック (ノーマル時)

項目スペック
メーカーホンダ
駆動方式FF
エンジンB18C '98spec R' 直列4気筒 NA
総排気量1,797cc
最高出力200ps / 8,000rpm
最大トルク19.0kgf・m / 6,200rpm
全長×全幅×全高4,380×1,695×1,320mm
車両重量1,100kg
トランスミッション5速MT

■ ゲーム内での特性・オススメセッティング

特性: 「FF最速」の名を欲しいままにした、究極のNAハンドリングマシン。職人の手でポート研磨が施されたB18Cエンジンは、8,000rpm超まで鋭く吹け上がり、高回転域では官能的なVTECサウンドを奏でる。 FFの弱点であるアンダーステアを、強力なヘリカルLSDと徹底的に煮詰められた足回りで完全に克服。アクセルオンでインに巻き込むように曲がり、ブレーキングでリアが流れるその挙動は、もはやFFの常識を超えている。C1や新環状のようなテクニカルコースでは、格上のターボ・4WD勢をいとも簡単に食い物にする「ジャイアントキラー」である。

オススメセッティング(B案):

  • ライトチューン向け (Lv.3程度)
    • 方向性: 素性の良さを活かし、よりコントローラブルに。
    • タイヤ・ブレーキ: スポーツタイヤとブレーキパッドへの交換は必須。特にノーマルのブレーキはサーキットレベルでは容量不足気味。
    • サスペンション: リアのスタビライザーを強化し、ターンインでの回頭性をさらに高める。車高はノーマルでも完成度が高いが、わずかに前下がりにするとよりシャープな乗り味になる。
    • その他: エキマニを交換するだけで、B18Cのレスポンスとサウンドが一段と気持ちよくなる。
  • フルチューン向け (Lv.MAX)
    • 方向性: 物理法則に逆らう、究極のFFコーナリングマシンを目指す。
    • エンジン: フルバランス取りとハイコンプピストンを組み込み、レブリミットを9,500rpmまで引き上げる。VTECの切り替えポイントも最適化。
    • 駆動系: ファイナルギアをローギアード化し、加速性能を徹底的に強化。クロスミッション化でパワーバンドを絶対に外さないようにする。
    • アライメント: コーナー進入でリアを積極的に滑らせるため、リアのトーをゼロ、もしくはわずかにアウトに設定する。フロントのキャンバーは-3.5°以上が基本。

■【評価と立ち位置】

  • 国内での評判:『不滅のFFキング』 発売から25年以上が経過した今なお、日本の峠やサーキットで「FF最速」のベンチマークとして君臨する不滅の存在。特にこの'99年式(通称98スペック)は、ファイナルギアの変更やブレーキの大径化など、熟成が進んだ完成形として中古市場でも絶大な人気を誇る。多くの走り屋にとって、このクルマは単なる速いFFではなく、一種の「信仰」の対象ですらある。
  • 国外での評判:『史上最高のFF車』 北米では「アキュラ・インテグラ タイプR」として販売され、当時の自動車メディアに衝撃を与えた。欧米の著名な自動車雑誌が行う「史上最高のFF車」という企画では、必ずと言っていいほど1位か、それに近い順位で選出される。そのピュアなハンドリングと超高回転エンジンは、世界中のホンダファン、そしてドライビングを愛する人々にとって永遠の憧れであり、現在は極めて高価なコレクターズアイテムとなっている。
  • ゲーム内での評価:『テクニカルコースの絶対王者』 湾岸線の最高速バトルではターボ勢に軍配が上がるが、コーナーが2つ以上あれば話は別。C1、新環状、八重洲線といったコースに持ち込めば、このクルマの右に出るものはいない。VTECサウンドを響かせながらコーナーに飛び込み、信じられない速度で立ち上がっていく様は、後続のプレイヤーに絶望を与える。勝利を目指すなら誰もが一度は通る、テクニカルコースの「答え」そのものである。

■ 辛口コラム:物理法則に喧嘩を売った技術者たちの執念

「FFは曲がらない」。それは、このDC2が登場するまで、自動車界の半ば常識であった。フロントに重いエンジンを置き、同じタイヤで操舵と駆動を賄う。物理的に考えれば、アンダーステアが出るのは当然の帰結だ。スポーツカーはリア駆動(FR/MR)であるべき。誰もがそう信じていた。 ホンダの技術者たちを除いて。 彼らはその「常識」に真っ向から喧嘩を売った。ボディ剛性を徹底的に高め、サスペンションジオメトリを1mm単位で煮詰め、魔法のようなLSDを開発し、ついには「FFはアクセルで曲がる」という異次元の走りを見せるマシンを完成させてしまったのだ。 DC2は、単なる速いクルマではない。それは「FFなんて」と嘲笑っていた人々を沈黙させた、技術者たちの執念の結晶だ。常識や定説は、覆すためにある。このマシンを駆ることは、そんなホンダの熱い魂そのものを、その手で感じることと同義なのである。

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