概要
大黒PAまわりを根城にする“86/ハチロク”偏愛チーム〈ROULETTE GUY〉。
双子の「ルーレット野郎1号 & 2号」を軸に、同好の士が集まって発足。PAでの合流→首都高周回→再合流という“ループ”を遊び尽くすのが流儀。
機動力の高いFRを軽快に振り回し、並走からの抜き差し・隊列入れ替えといった小技も多用。気心の知れた仲間同士の連携アタックが強み。
- 出現エリア:湾岸線 西行き/大黒PA
- チーム台数:5台
- 代表車種:ROULETTE GUY No.1/No.2(カスタム)、TOYOTA 86 (ZN6)、AE86トレノ/レビン
メンバー一覧
ルーレット野郎1号(リーダー)

- 車種:CUSTOMIZED CAR「ROULETTE GUY No.1」
- プロフィール:
チーム発起人の一人で実質リーダー。双子の相棒(2号)と息の合った入れ替えアタックを仕掛けるのが十八番。駆け引き好きで、相手のラインを外させてから一気に抜く“翻弄型”。
ルーレット野郎2号

- 車種:CUSTOMIZED CAR「ROULETTE GUY No.2」
- プロフィール:
1号とは一卵性双子。対抗心強めのスプリンターで、隊列の二番手から加速勝負に持ち込むのが得意。先回りや待ち伏せなど位置取りのトリックを好む。
ルーレット野郎3号

- 車種:TOYOTA 86 GT (ZN6) ’12
- プロフィール:
チームのムードメーカー枠。コスト管理に長け、配信やグッズで活動資金を捻出する裏方もこなす。走りはまだ粗いが、終盤の粘りとライン修正の速さで食らい付く。
ルーレット野郎4号

- 車種:SPRINTER TRUENO GT-APEX 3door (AE86) ’87
- プロフィール:
旧車を愛でるロマン派ハチロク乗り。安定志向でミスが少なく、隊列のアンカー役として終盤に効く。チーム名の着想を持ち込んだとされるネーミング担当でもある。
ルーレット野郎5号

- 車種:COROLLA LEVIN GT-APEX 3door (AE86) ’87
- プロフィール:
トレノ派の4号と永遠の“トレノvsレビン”論争を続ける生粋のレビン党。軽快な立ち上がりと中低速でのリズムの良さが持ち味。展示用の自作モデルまで並べる筋金入り。
“伝統の86”を軽やかに消費する、新世代のハチロク族
ROULETTE GUYは、若手のZN6乗りとベテランのAE86乗りが、ハチロク愛をきっかけに結成したチームです。活動の中心はバトルや縄張り争いではなく、自分たちの記録更新を狙うタイムアタック。首都環状を何周も繰り返す走り方から“ルーレット族”と呼ばれているとされ、ゲーム内でも「昔ながらの走り屋とは違う独自路線を走る、新世代の象徴」と明記されています。つまりこのチーム、首都高バトルの文脈にいそうでいて、実はかなり異質です。
過去作との比較
これは“第二のROLLING GUY”であって、“新しいROLLING GUY”ではない
過去作比較でまず触れないわけにいかないのが、伝統のAE86軍団「ROLLING GUY」です。旧作から2025年版に至るまで、ROLLING GUYは「峠上がりのAE86チーム」「C1の古株」「パワーでは不利でも愛着と技術で戦う」という立ち位置をずっと守ってきました。初期作では“手始めにはちょうどいい相手”とまで書かれていたのに、シリーズを重ねるごとにC1の有名チームへ育っていった、まさに首都高バトルを代表する伝統枠です。
それに対してROULETTE GUYは、同じ“86好き”でも思想がまるで違います。
こちらはチーム名の時点で、メンバーの富吉久作が《ROLLING GUY》をあからさまに意識して提案したと書かれており、もはや隠す気がありません。しかも構成はAE86だけではなく、若手側はZN6、ベテラン側はAE86。伝統の継承というより、**“86文化を今の感覚で再編集した別系統”**と見るほうがしっくりきます。敬意はあるが、同じ道は歩いていない。そんな距離感です。
速さの面でも、その違いははっきり出ています。2025年版のデータでは、ROULETTE GUYの双子が乗るNo.1/No.2はスピード指標304.66、No.3のZN6も293.65とかなり高めです。一方でベテラン組のAE86は250.23と243.80に留まり、数字だけ見れば現代86勢と旧86勢の差はかなり露骨です。つまりこのチームは、AE86の精神を掲げながら、実際の速さはZN6が引っ張っている。ここが実に令和っぽいです。ロマンは旧車、結果は新車。綺麗事を抜けばそういう構図です。
車種の特徴
ハチロク愛を語りながら、ちゃんと今の86の速さに頼っている
ZN6型86は、トヨタがAE86へのオマージュとして名付けたFRスポーツで、開発コンセプトも「コンパクトFRならではの運転の楽しさ」を体現することにありました。実際、2012年の初代86はFRレイアウト、2.0L水平対向、約200PS級、低重心と前後重量配分を重視した設計で、“昔のFRスポーツを現代に持ち込んだ車”として成立しています。ROULETTE GUYが若手側にZN6を置いているのは非常に分かりやすく、AE86を神棚に飾るだけで終わらず、ちゃんと現実的な速さを取りにいっているとも言えます。
一方のAE86は、5代目カローラ/スプリンター系がFF化する中で、スポーツモデルだけはFRを維持したという時代の異物でした。トヨタ自身も、AE86世代のレビン/トレノがFRの走行性能を好む層に特に支持され、絶版後も型式名で愛称のように呼ばれ続けたと説明しています。軽さも960kg前後と軽く、1.6L DOHCの4A-G系で回して走る、典型的な“操る楽しさ”の象徴です。つまりROULETTE GUYの車種構成は、AE86を信仰対象、ZN6を実戦担当にした二層構造だと見ると一番分かりやすいです。
しかもメンバー設定まで見ると、この車選びがかなり生っぽい。双子の九条兄弟は同じマシンで入れ替わりトリックを遊びにしており、会社員の森元一星は給料の苦しさを抱えつつ憧れの車をローンで買い、費用工面のため残業まで引き受けている。ベテラン組の川口優貴と富吉久作は、レビンとトレノのどちらが至高かで昔から言い争いながら、結局どちらもハチロク好きというオチです。車種選びがただの性能表ではなく、人間関係そのものの延長になっているのは、このチームのかなり良いところです。
辛口評価
“ハチロク愛”を語るわりに、かなりヌルい
辛口に言うなら、ROULETTE GUYはぬるいです。
チームプロフィールでも、縄張り争いやバトルにはあまり関心を示さないとされていて、首都高の夜に集まる集団としてはかなり温度が低い。昔の首都高バトルにいた連中は、良くも悪くももっと面倒くさく、もっと危うく、もっと執念深かった。ROULETTE GUYはそこが薄い。要するに彼らは“闘争の走り屋”ではなく、“趣味の延長で首都高を周回している車好き”です。悪く言えば、首都高をサーキット代わりにしているだけの連中とも言えます。
さらに言えば、ハチロク愛を前面に出しながら、実際の速さはほぼZN6組が担っているのも少しずるい。
AE86だけで揃えて意地を見せる伝統派ではなく、古いロマンはちゃんと持ちつつ、勝てる部分は新しい86に任せる。理屈としては正しいし、現実的でもあります。だが、そこには“命を削ってでも古いマシンで戦う”みたいな美学はない。賢いが、熱くはない。 ここは好みが分かれるところでしょう。
ただし、その軽さは今の時代には妙にリアルです。
ローンでスポーツカーを買って残業する若手、ホビーショップつながりでゆるく再結成する元走り屋、趣味と遊びの延長でチームを組む双子。昔みたいな“命を張った首都高最前線”ではなく、車趣味を中心に人がつながるコミュニティとして見ると、むしろかなり説得力があります。首都高バトルの世界における“走り屋の老化と更新”を、このチームはかなり上手く表しているのかもしれません。
現実世界に存在した?
かなり“いた”寄り。ただし名前は少し痛い
現実世界にこういう集団がいたかと聞かれたら、かなり高い確率で“いた”側です。
AE86の古参、ZN6の若手、ホビーショップ経由のつながり、車談義で意気投合、記録を伸ばすために周回、バトルや抗争には興味薄め。これは実在の峠・首都高・PA文化を知っている人ほど、「ああ、こういう連中いたよね」と思いやすいはずです。特に川口と富吉の“トレノかレビンかで延々揉めるけど結局どっちも好き”という感じは、あまりにもリアルです。
ただし、チーム名はやや痛いです。
本人たちの中では洒落と敬意のつもりでも、《ROLLING GUY》を露骨に意識して《ROULETTE GUY》は、正直かなり“内輪ノリ”です。そこが可愛いとも言えるし、ダサいとも言える。だが、現実の車好き集団なんて大抵そのくらいの半端なダサさを抱えているので、逆に作り物くささは薄いです。完璧にかっこいいチーム名なんて、むしろ現実にはあまりありません。
総評
ROULETTE GUYは、伝統のROLLING GUYのような“硬派な86軍団”ではありません。
むしろ、ハチロク文化を趣味・時間・人間関係の中でゆるく継承している令和型の86チームです。速さだけならZN6組が担当し、ロマンはAE86組が背負う。昔の首都高バトルにいたような殺気は薄いですが、そのぶん妙に現実味があります。
辛口で締めるなら、
ROULETTE GUYは“首都高の狼”ではない。
**“86が好きすぎて首都高を周回コースにしている、少し痛くてかなり楽しそうな連中”**です。
それは昔ながらの走り屋像とは違う。けれど、今の時代の車好き集団としてはかなり本物っぽい。そこがこのチームの一番の強みです。




