
LIGHTSPEED COURIERとは
LIGHTSPEED COURIER。
名前は光速配達員。
つまり、荷物より先に納期を破壊しそうな名前である。
ベース車は、見た目とスペックから見てスバル インプレッサ WRX STI spec C(GDB)'05系と考えていい。
鷹目寄りのフロント、セダンボディ、STIエンブレム、ワイドなフェンダー感、4WD、水平対向4気筒ターボ。完全にGDB系インプレッサの空気だ。
ゲーム内では2,193cc、644ps、99kgm、4WD、1,253kg。
これはもう、普通のインプレッサではない。
spec Cの軽量・競技ベース感をさらに極端に振って、エンジンも駆動系もボディも全部やった仕様だ。
見た目は白ベースに青いアクセント、ボンネットダクト、大型ウイング、少しワイドな外装。
派手すぎない。
そこはかなり良い。
ただし中身の数字は派手どころではない。
644ps、99kgm。
配達というより、受け取りサインを書く前に家ごと通過している。
ベース車としてのGDB spec C
GDBインプレッサWRX STI spec Cは、かなり良い素材だ。
2005年6月のWRX STI spec C 16インチタイヤ仕様車は、型式GH-GDB、EJ20、水平対向4気筒DOHCターボ、280ps、43.0kgm、フルタイム4WD、6MT、LSD標準、車重1350kgという内容。通常の快適セダンというより、かなり走り寄りの仕様だ。
spec Cの良さは、単なる馬力ではない。
軽さ、反応、駆動、競技ベース感。
このあたりが効いている。
普通のSTIが「速いスポーツセダン」なら、spec Cは「走るために余計なものを削ったインプレッサ」だ。
エアコンや快適装備がどうこうより、まず走り。
そういう匂いがある。
このLIGHTSPEED COURIERは、そのspec Cらしさをかなり強く残している。
白いボディ、控えめなロゴ、機能っぽいエアロ。
派手な痛車方向ではなく、競技車両っぽい方向に寄っているのは好印象だ。
見た目は悪くない。むしろかなり良い
白ベースに青い差し色。
ボンネットダクト。
大型リアウイング。
フロントはワイドで低い。
ホイールも白系でまとめている。
これはかなりまとまっている。
これまでのカスタム車には「貼りすぎ」「喋りすぎ」「自己紹介が長い」タイプも多かったが、この車は比較的おとなしい。
いや、外装は十分攻めている。
でも方向性が分かりやすい。
ラリーカー、タイムアタック車両、サーキット仕様。
その辺の雰囲気がちゃんと出ている。
ただし、ボンネットのダクトとルーフまわりは少しやりすぎ感もある。
機能があるなら良い。
熱を抜く、空気を入れる、冷却に効く。
それなら説得力がある。
飾りなら一気に安くなる。
インプレッサはこういう外装が似合うが、似合うからこそ“本物っぽさ”が問われる。
話し言葉で言えば、
「この見た目で中身がスカスカだったら、かなり恥ずかしいぞ」
という車だ。
644psは実車で可能か
方向性としては可能。
ただし、かなり本気の領域だ。
EJ20/EJ207で644psを狙うなら、ライトチューンではない。
ブーストアップとマフラーでどうにかなる世界ではない。
エンジン内部、タービン、燃料、冷却、ECU、駆動系、ボディ補強まで全部やる必要がある。
しかもゲーム内の排気量は2,193cc。
ノーマルEJ20は1994ccなので、これは2.2L化されたEJ系エンジンと見るのが自然だ。
つまりこの車は、
EJ207を2.2L化して、巨大タービンと強化燃料系で644psまで持っていった4WDモンスター
という設定になる。
ここまで行くと、もう“速いGDB”ではない。
中身は競技車両に近い。
99kgmはかなり凶暴
この車で一番ヤバいのは644psより99kgmだ。
4WDだから前に進む。
だが4WDだから逃げ場が少ない。
FRならタイヤが先に逃げる場面でも、インプレッサは四輪で食って前へ出ようとする。
そのぶん、クラッチ、ミッション、センターデフ、前後デフ、ドライブシャフト、ハブ、ボディに負担が来る。
99kgmという数字は、もう「ちょっと速い」ではない。
駆動系にとっては暴力だ。
GDBは強い。
でも、強い車でも雑に扱えば壊れる。
「スバルの4WDだから大丈夫」みたいな雑な信仰は、修理代の前ではすぐ黙る。
実車で作るなら、まず車両の健康診断
GDBはもう古い車だ。
いきなりタービン交換や2.2L化に行くより、まずベース車の状態確認が先。
見るべきところは以下。
- エンジン圧縮
- メタル音
- オイル消費
- タービン状態
- 冷却水まわり
- ラジエーター
- ホース類
- 点火系
- 燃料ポンプ
- インジェクター
- ECU・センサー類
- クラッチ
- 6速MT
- DCCD
- 前後デフ
- ドライブシャフト
- ハブベアリング
- ブッシュ類
- 下回りのサビ
- 修復歴
特にGDBは走られている個体が多い。
見た目が綺麗でも、中身がかなり疲れていることがある。
白いボディで清潔感を出しても、ブッシュが死んでいたら走りは古いままだ。
現実的に作るなら、まず400〜450ps級
実車で楽しむなら、最初の落としどころは400〜450ps級がいい。
HKSのGDB用Sタイプインタークーラーは、250〜450PSのライトチューン車向けとして説明されている。GDBインプレッサでそのあたりを狙う土台は今でも存在する。ただし、同ページではSPEC C不可の記載もあるので、spec Cベースでは部品選定と加工前提の確認が必要になる。
必要な内容は以下。
- 吸排気交換
- 大容量インタークーラー
- オイルクーラー
- 大容量ラジエーター
- 強化燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- ブーストコントローラー
- 現車合わせECU
- 強化クラッチ
- 点火系リフレッシュ
- メタルキャタライザー
- スポーツマフラー
このあたりで、かなり速くて扱いやすいGDBになる。
街乗り、高速、ワインディング、サーキット走行まで考えるなら、このレンジはかなりうまい。
GDBは軽くて4WD。
400ps台でも十分に凶暴だ。
数字の見栄で600psを急ぐより、まず“踏める400ps台”を作る方が車としては強い。
644ps再現仕様
ゲーム内の644psに寄せるなら、一気に本気仕様だ。
必要な内容は以下。
- 2.2Lストローカーキット
- 鍛造ピストン
- 鍛造コンロッド
- 強化メタル
- 強化ヘッドガスケット
- ヘッドスタッド
- 強化バルブスプリング
- カムシャフト
- 強化オイルポンプ
- エンジンバランス取り
- 大容量タービン
- 大容量インタークーラー
- 大容量燃料系
- フルコンまたは高性能ECU
- 強化クラッチ
- 駆動系強化
- 冷却系総強化
ここまでやるなら、もう通勤車ではない。
見た目は配達員でも、中身は配達先を間違えたレーシングカーだ。
2.2L化の意味は、ピーク馬力だけではない。
中速トルクが太くなる。
タービンが大きくなっても、下から押し出しやすくなる。
GDBの4WDと組み合わせるなら、立ち上がりでかなり効く。
ただし、99kgmまで行くならエンジンより先に駆動系の覚悟がいる。
タービン選び
644psを狙うなら、純正タービンでは話にならない。
大容量タービン、強化エキマニ、燃料、冷却、ECUまでセットだ。
ただ、GDBらしさを残すなら、上だけ伸びる巨大タービンより、中速から使えるタービンを選びたい。
必要な内容は以下。
- 大容量シングルタービン
- 強化エキマニ
- ウエストゲート
- フロントパイプ
- メタルキャタライザー
- 大容量インタークーラー
- ブーストコントローラー
- 現車合わせECU
CUSCOからはGDB用の純正リプレイスタービンも設定されており、GDB C〜G型用としてIHI製VF36互換の記載がある。これはハイパワー用ではなくリフレッシュ寄りだが、今でもGDB用タービンまわりの選択肢が残っていることは大きい。
644psなら純正互換ではなく、大容量タービン前提。
ただし、ピークだけ狙うと低回転が眠くなる。
GDBは軽さとレスポンスが魅力なので、そこを殺すと本末転倒だ。
冷却系
この車は冷却が命だ。
GDB用のHKSオイルクーラーキットには、年改F型用としてバンパー内装着の設定があり、油温管理用サーモスタットやアルミエアダクトで走行風を導入する内容が説明されている。高出力化したEJで冷却を後回しにすると、一気に苦しくなる。
必要な内容は以下。
- 大容量ラジエーター
- 大容量インタークーラー
- オイルクーラー
- 強化ラジエーターホース
- ローテンプサーモ
- ラジエタークーリングプレート
- 水温計
- 油温計
- 油圧計
- 排気温計
EJは熱に気を使うエンジンだ。
高出力化するなら、油温と水温を見ない仕様はかなり怖い。
白いボディに青いラインを入れても冷えない。
冷やすのは色ではなく部品だ。
燃料系
644psなら、燃料系は完全に作り直すつもりでいい。
必要な内容は以下。
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- 燃圧レギュレーター
- 燃料フィルター
- 燃料ライン見直し
- 空燃比管理
- ノック対策
- 高オクタン燃料前提のセッティング
燃料が足りないEJは怖い。
燃調が薄い高出力ターボは、ただの時限装置だ。
しかもGDBの場合、エンジンを壊すと修理費も部品探しも気軽ではない。
駆動系
99kgmを4WDで受けるなら、駆動系は本気で見る必要がある。
必要な内容は以下。
- ツインプレートクラッチ
- 強化フライホイール
- 強化ミッションマウント
- 強化エンジンマウント
- DCCD点検
- センターデフ点検
- フロントデフ点検
- リアデフ強化
- ドライブシャフト点検
- ハブベアリング点検
- ミッションオイル管理
- デフオイル管理
CUSCOのGDB E型向けパーツ検索では、車高調、サスペンション、ブッシュ、ボディ剛性パーツ、LSD、クラッチ、ロールケージ、競技用パーツなどのカテゴリが確認できる。つまりGDBは今でも“走らせるための部品”がかなり残っている車だ。
この車で一番ダメなのは、エンジンだけ作って駆動系を古いままにすること。
644psの4WDは、逃げない。
逃げないぶん、壊れるところに力が行く。
速さの請求書は、だいたい駆動系から来る。
足回り
GDBは、足回りを作るとかなり化ける。
必要な内容は以下。
- 全長調整式車高調
- 減衰調整付きダンパー
- ピロアッパー
- 強化スタビライザー
- 調整式ラテラルリンク
- 強化ブッシュ
- ハイグリップタイヤ
- アライメント調整
- コーナーウェイト調整
ただし、硬くすればいいわけではない。
GDBは4WDで、前後に駆動がかかる。
硬すぎる足は、路面を拾いすぎてトラクションを逃がす。
狙うべきは、
踏める足だ。
フロントが入って、リアが粘って、立ち上がりで四輪が路面を掴む。
そこまで作って初めて、644psの意味が出る。
ブレーキ
この仕様でブレーキが弱いのは論外。
必要な内容は以下。
- 6pot級フロントキャリパー
- 4pot級リアキャリパー
- 大径ローター
- スポーツパッド
- ステンメッシュホース
- 高沸点ブレーキフルード
- ブレーキ導風板
- ABSとの相性確認
GDBは軽めとはいえ、644ps仕様なら速度域が完全に変わる。
止まれないインプレッサは本当に怖い。
見た目が光速配達員でも、ブレーキが郵便自転車なら意味がない。
ボディ補強
LIGHTSPEED COURIERでかなり重要なのがボディ補強だ。
GDBは素性が良い。
でも、20年前の車に644ps、99kgm、ハイグリップタイヤ、大型ウイングを入れるなら、補強はかなり効く。
フロントまわり
- フロントストラットタワーバー
- フロントロアアームバー
- フロントメンバーブレース
- ステアリングラック周辺点検
- フロントサスペンションブッシュ交換
- フロントサブフレーム取付部確認
水平対向エンジンは低重心だが、フロントに重量はある。
ここを締めると、ステアリングの初期反応が変わる。
特にGDBはフロントの接地感が命だ。
センター・フロアまわり
- フロアブレース
- センターブレース
- サイドシル補強
- トンネル補強
- ジャッキアップポイント周辺確認
- スポット増し
- シーム溶接
フロアの一体感が出ると、足がちゃんと動く。
見た目には分かりにくいが、走ると差が出る。
外装に金をかける前に、床下を締める。
こういう車はその方が強い。
リアまわり
- リアタワーバー
- リアメンバーブレース
- リアデフマウント強化
- サブフレームブッシュ交換
- リアラテラルリンク周辺補強
- GTウイング取付部補強
大型ウイングを付けるなら、取付部の補強はかなり大事だ。
羽だけ立派で、トランク側が負けるとかなり格好悪い。
この車のウイングは飾りではなく、機能パーツとして扱うべきだ。
なら、受け止めるボディも作る。
ここで本物感が出る。
ロールケージ
サーキット寄りならロールケージも入れたい。
- 4点式
- 6点式
- 8点式
- サイドバー追加
- ダッシュ逃げ
- ダッシュ貫通
街乗り兼用なら4点〜6点。
本気で走るなら6点以上。
GDBはセダンなので、ケージを入れると一気に競技車両感が出る。
ただし、内装や乗降性は落ちる。
光速配達員が毎回乗り降りで腰を打つのは、ちょっと切ない。
軽量化
ゲーム内の車重は1,253kg。
実車のspec C 16インチ仕様が1350kgなので、かなり軽い設定だ。
近づけるなら以下。
- カーボンボンネット
- カーボントランク
- 軽量バッテリー
- フルバケットシート
- リアシート撤去
- 内装撤去
- 防音材撤去
- 軽量マフラー
- 鍛造ホイール
- アクリルウインドウ
- エアコン撤去
ただし、街乗りもするならやりすぎ注意だ。
1,253kgを本気で狙うなら、かなり快適性を捨てることになる。
現実的には、1,300kg前後を目標にして、冷却・駆動系・ブレーキを優先した方がいい。
軽さだけ追って壊れる車になるより、踏める車にした方が速い。
外装を実車で再現するなら
必要な外装パーツは以下。
- ホワイト系オールペンまたはラッピング
- ブルー系アクセント
- ボンネットダクト
- フロントバンパー
- フロントリップ
- カナード
- サイドステップ
- リアディフューザー
- 大型リアウイング
- ワイドフェンダー
- 鍛造ホイール
- ローダウン
この車は外装の方向性がかなり良い。
白と青はスバルに合う。
派手すぎない。
競技車両っぽさもある。
実車でやるなら、ステッカーは控えめでいい。
ボディラインとエアロだけで十分に速そうに見える。
変に文字を増やすと、一気に安っぽくなる。
おすすめは、
白ボディ、青アクセント、機能エアロ、大型ウイング、白またはガンメタ系鍛造ホイール。
これで十分に強い。
光速配達員に必要なのは、派手な名札ではなく、ちゃんと届く速さだ。
辛口総評
LIGHTSPEED COURIERは、かなり良いGDB系カスタムだ。
白と青の見た目はまとまっている。
ボンネットダクト、大型ウイング、ワイド感のある外装も、インプレッサらしい。
派手すぎず、競技車両っぽい雰囲気がある。
ただし、中身の設定はかなり凶暴だ。
2.2L級EJ、644ps、99kgm、4WD、1,253kg。
これは簡単に作れる“速いインプレッサ”ではない。
エンジン、タービン、冷却、燃料、駆動系、足回り、ブレーキ、ボディ補強。
全部やって初めて成立する。
辛口で言えば、この数値をspec Cに入れるなら、かなり丁寧に作らないと車が負ける。
GDBは強い。
だが、99kgmを雑に受け止めるほど甘くはない。
要するにこの車は、
spec Cの競技ベース感をそのまま巨大化したような、かなり本気の4WDターボカスタムだ。
外装は良い。
中身も方向性は正しい。
あとは、実車でやるなら“見た目より中身”を徹底するだけ。
光速配達員を名乗るなら、まず壊れずに目的地まで届くこと。
速いだけで帰ってこない車は、ただの迷子である。