
SKULL BULLETとは
SKULL BULLET。
名前からして、もう穏やかに走る気がない。
スカル、弾丸、赤黒ボディ、ボンネットから覗く吸気口、巨大なリアウイング。
見た瞬間に「これは通勤快速です」と言われても、誰も信じない。
ベース車は、見た目とスペックから見て三菱 ランサーエボリューション ファイナルエディション(CZ4A)'15と見るのが自然だ。
ランエボXの最終モデル。
4B11ターボ、4WD、5速MT、S-AWC系の駆動制御。
最後のランエボとして、かなり特別な存在である。
ただし、このSKULL BULLETはノーマルの余韻に浸る車ではない。
ゲーム内では2.2L級、500ps、71kgm、4WD、1,306kg。
これはもう、ファイナルエディションを“保存”ではなく“戦闘化”した仕様だ。
言い方を変えれば、
最後のランエボを、さらに乱暴に終わらせに来た車である。
ベース車としてのランエボFinal
ランエボ ファイナルエディションの実車は、国内仕様では4B11型2.0L直4ターボで、313ps、43.7kgm、車重1530kgという内容。
アメリカ仕様では303hp、305lb-ft、5速MT、ビルシュタインダンパー、アイバッハスプリング、ブレンボ2ピースフロントローターなどがFinal Editionの特徴として挙げられている。
つまり、ベースの時点でかなり本気だ。
普通のセダンに羽を付けただけの車ではない。
四輪で路面を掴み、ターボで押し出し、電子制御で曲げる。
三菱が得意だった“速いけど雑に速いわけではない”領域の車だ。
ただ、ファイナルエディションという名前のせいで、どこか記念碑扱いされがちでもある。
でもランエボは本来、飾って眺める車ではない。
走らせてなんぼ。
そう考えると、SKULL BULLETのように攻撃的なカスタムは、かなりランエボらしい。
見た目はかなり強い。少し怖い。少しやりすぎ
赤黒のボディ、黒いボンネット、スカル系グラフィック、大きな吸気ダクト、ワイド感のあるエアロ、巨大ウイング。
かなり攻めている。
正直、上品ではない。
高級感もない。
だが、ランエボに上品さを求めるほうが少し間違っている。
この車はもともと、スーツを着た紳士ではなく、雨の日でも全力で踏めるラリー上がりの武闘派だ。
ただし、辛口で言えばフロントまわりは少し重たい。
バンパー、リップ、ダクト、黒ボンネット、グラフィック。全部が前に出ている。
迫力はあるが、情報量が多い。
話し言葉で言えば、
「強そうなのは分かった。もう少し黙ってても速いぞ」
という感じだ。
でもゲーム内カスタムとしては正解。
一発で覚える。
赤黒のランエボ、スカル、500ps。
キャラ立ちはかなり強い。
500psは実車で可能か
可能だ。
ただし、ライトチューンの領域ではない。
4B11ターボで500psを狙うこと自体は現実的。
HKSからはCZ4A用のGTIII-RSタービンキット、Rタイプインタークーラー、オイルクーラーなどが存在する。
冷却、燃料、タービン、ECU、駆動系をきちんと作れば、500ps級は十分見えてくる。
ただし、ゲーム内の排気量は2,197cc。
ノーマル4B11は2.0Lなので、この数字に寄せるなら2.2Lストローカー仕様になる。
つまりSKULL BULLETは、単なるブーストアップではなく、
4B11を2.2L化して、500ps・71kgmまで持っていった本気仕様
と見るのが自然だ。
ここまでやるなら、エンジン内部は触る前提になる。
71kgmはかなり強烈
この車で一番怖いのは、500psよりも71kgmのトルクだ。
4WDだから踏める。
だが、4WDだから駆動系に逃げ場が少ない。
FRならタイヤが逃がす場面でも、ランエボは前に進もうとする。
そのぶん、クラッチ、ミッション、トランスファー、デフ、ドライブシャフトに負担が行く。
ランエボは頑丈なイメージがある。
実際、三菱らしい強さはある。
でも、頑丈=雑に扱っても平気ではない。
500ps、71kgm。
この数字になると、もう“速いランエボ”ではなく“きちんと作らないと壊れるランエボ”だ。
実車で作るなら、まず何をするべきか
1. ベース車の状態確認
最初にやるべきはパワーアップではない。
まずは車両の健康診断だ。
見るべきところは以下。
- エンジン圧縮
- タービンの状態
- 冷却水まわり
- オイル漏れ
- 点火系
- 燃料ポンプ
- インジェクター
- ECU・センサー類
- クラッチ
- 5速MT
- トランスファー
- 前後デフ
- AYC/ACD系統
- 下回りのサビ
- フレーム修復歴
- ブッシュ類
- ハブベアリング
ランエボは走られている個体が多い。
だからこそ、見た目より先に状態確認。
赤黒に塗る前に、まず中身が生きているか見る。
ここを飛ばすと、ただの派手な修理待ち車になる。
エンジンを作るなら
現実的な500ps仕様
500psを狙うなら、以下の内容が必要になる。
- タービン交換
- 大容量インタークーラー
- 大容量ラジエーター
- オイルクーラー
- メタルキャタライザー
- フロントパイプ
- マフラー
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- 燃圧レギュレーター
- 現車合わせECU
- ブーストコントローラー
- 強化クラッチ
- 冷却系の徹底管理
HKSのRタイプインタークーラーは、CZ4A用として大容量・低圧損タイプのコアを採用している。
また、HKSのオイルクーラー説明では、ランエボXの4B11は油温上昇が早く、富士スピードウェイショートコース5周で油温が130℃を超えたというテスト内容も出ている。
つまり、500psを狙うなら冷却は飾りではなく必需品だ。
2.2L化するなら
ゲーム内の2,197ccに寄せるなら、2.2Lストローカー化が必要になる。
必要なものは以下。
- 2.2Lストローカーキット
- 鍛造ピストン
- 鍛造コンロッド
- 強化メタル
- 強化ヘッドガスケット
- ヘッドスタッド
- 強化バルブスプリング
- カムシャフト
- 強化オイルポンプ
- バランス取り
- 現車合わせECU
TOMEIの4B11用カムシャフトなど、4B11向けの内部パーツは今でも存在する。
ただし、2.2L化までやるなら完全に本気仕様だ。
500psだけなら、2.0Lのままでも狙える。
でも2.2L化すると、中速トルクが太くなり、街乗りやコーナー立ち上がりでかなり強くなる。
つまり、2.2L化はピークパワーよりも、
踏んだ瞬間の厚みを作るチューニング
と考えた方がいい。
タービン選び
SKULL BULLETのキャラなら、ピークだけ狙う巨大タービンより、レスポンス重視の中型タービンが合う。
必要候補は以下。
- HKS GTIII-RSタービンキット
- 強化アクチュエーター
- エキマニ
- アウトレット
- フロントパイプ
- メタルキャタライザー
- ブーストコントローラー
- 現車合わせECU
500ps級なら、上だけ伸びる仕様より、中速からガツンと来る仕様の方がランエボらしい。
4WDで立ち上がりから踏める車だから、レスポンスが鈍いと魅力が薄れる。
ランエボは最高速だけの車ではない。
立ち上がりで相手を置いていく車だ。
燃料系
500psなら燃料系は必須。
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- 燃圧レギュレーター
- 燃料フィルター
- 燃料ライン点検
- 空燃比管理
- ノック対策
SARDからはCZ4A用の295L/h燃料ポンプ適合もある。
このあたりを含めて、燃料が足りる状態を作る必要がある。
燃料をケチる500psは危ない。
派手な赤黒ボディより、見えない燃料系の方が大事だ。
駆動系
500ps・71kgmの4WDなら、駆動系を作らないと話にならない。
必要な内容は以下。
- 強化クラッチ
- 軽量または強化フライホイール
- 強化ミッションマウント
- 強化エンジンマウント
- トランスファー点検
- ACD/AYC点検
- 前後デフ点検
- LSD強化
- ドライブシャフト点検
- ミッションオイル管理
- デフオイル管理
この車で一番やってはいけないのは、パワーだけ上げて駆動系をノーマル任せにすること。
ランエボは4WDだから速い。
だが、その4WDが力を全部受け止める。
速さの代償は、駆動系に請求が来る。
足回り
SKULL BULLETのような仕様なら、足回りはかなり重要だ。
必要なパーツは以下。
- 車高調
- ピロアッパー
- 強化スタビライザー
- 調整式アーム
- 強化ブッシュ
- ハイグリップタイヤ
- アライメント調整
ランエボXはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。
足回りを詰める余地はある。
ただし、ただ硬くすればいいわけではない。
この車は4WDで立ち上がり重視。
リアが跳ねるとトラクションが抜ける。
フロントが硬すぎると入りが悪くなる。
狙うべきは、
硬い足ではなく、踏める足だ。
ブレーキ
500ps級ならブレーキは必須。
必要なものは以下。
- 大径ブレーキローター
- 対向キャリパー
- スポーツパッド
- ステンメッシュホース
- 高性能ブレーキフルード
- ブレーキ導風板
ファイナルエディション実車はブレンボ2ピースフロントローターを採用している仕様もあるが、500ps級にするならそれだけで満足するより、走るステージに合わせて強化した方がいい。
速いランエボが止まれないのは本当にダサい。
スカルより怖いのは、止まらないブレーキだ。
ボディ補強
ここはかなり細かくやりたい。
ランエボXは元の剛性も高いが、500ps、ハイグリップタイヤ、大型ウイング、軽量化まで入れるなら補強はかなり効く。
ただし、全部をガチガチにすればいいわけではない。
4WD車は路面を掴む力が強いぶん、ボディやメンバーに負担が来る。
フロントまわり
- フロントストラットタワーバー
- フロントロアアームバー
- フロントメンバーブレース
- バルクヘッド周辺補強
- ステアリングラック周辺点検
- フロントサスペンションブッシュ交換
フロントはエンジン重量と駆動力の両方を受ける。
ここがヨレると、ステアリングの初期反応がぼやける。
500ps仕様なら、まずフロントの入りを作るべきだ。
センター・フロアまわり
CUSCOからはCZ4A用のパワーブレースとして、フロアフロント、フロアセンター、フロアリアサイドなどが設定されている。
床下を締めると、足回りの動きが分かりやすくなる。
実車で入れたいのは以下。
- フロアフロントブレース
- フロアセンターブレース
- フロアリアサイドブレース
- サイドシル周辺補強
- 必要に応じてスポット増し
- シーム溶接
床下補強は見えない。
でも効く。
こういう見えないところに金を入れる車は強い。
リアまわり
- リアタワーバー
- リアメンバーブレース
- リアメンバーリアブレース
- リアメンバーリアサイドブレース
- デフマウント強化
- サブフレームブッシュ交換
- ウイング取付部補強
大型ウイングを付けるなら、トランクや取付部の補強も考えるべきだ。
見た目だけ羽を立てても、ボディ側が受け止められなければ意味が薄い。
特にこの車は、画像を見る限りリアウイングがかなり大きい。
なら、取付面の裏板補強やブラケット強化はしておきたい。
ロールバー・ロールケージ
サーキット寄りならロールケージも選択肢。
- 4点式
- 6点式
- 8点式
- サイドバー追加
- ダッシュ逃げ
- ダッシュ貫通
街乗り兼用なら4点〜6点。
本気で走るなら6点以上。
ただし、内装や乗降性は犠牲になる。
ランエボはセダンなので、ケージを組むとかなり本気感が出る。
見た目だけでなく、車の芯も変わる。
軽量化
ゲーム内では車重1,306kg。
実車ファイナルエディションの1530kgから考えると、かなり大胆な軽量化だ。
近づけるなら必要なのは以下。
- カーボンボンネット
- 軽量トランク
- 軽量バッテリー
- フルバケットシート
- リアシート撤去
- 内装撤去
- 防音材撤去
- 軽量マフラー
- 鍛造ホイール
- アクリルウインドウ
- エアコン撤去
ただし、街乗りもするなら1,306kg狙いはかなり割り切りが必要。
快適性はかなり落ちる。
個人的には、実車なら1400kg前後までの軽量化が現実的だ。
そこから足・ブレーキ・冷却・駆動系を詰めた方が、総合的には強い。
外装を実車で再現するなら
必要な外装パーツは以下。
- レッド系オールペンまたはラッピング
- ブラックボンネット
- スカル系グラフィック
- フロントバンパー
- フロントリップ
- サイドステップ
- リアディフューザー
- 大型リアウイング
- ワイドフェンダー
- 鍛造ホイール
- ローダウン
ただし、実車なら少し整理した方がいい。
赤黒は残していい。
スカルも控えめならあり。
でもボンネット、サイド、ホイール、ウイング、全部を強くしすぎると、かなりイベント車になる。
おすすめは、
赤ボディ、黒ボンネット、控えめスカル、実戦的エアロ、大型ウイング。
これくらいで十分だ。
ランエボは元々顔が強い。
わざわざ全部を叫ばせなくても、十分怖い。
辛口総評
SKULL BULLETは、かなりランエボらしいカスタムだ。
赤黒、スカル、大型ウイング、500ps、4WD。
全部が分かりやすい。
少し分かりやすすぎるくらいだ。
辛口で言えば、見た目はかなり直球。
上品さはない。
でも、ランエボに上品さだけを求めてもつまらない。
これは速くて、荒くて、踏んだら怖いくらいが似合う車だ。
実車で作るなら、まずは2.0Lのまま450〜500ps。
そこから冷却、燃料、ECU、駆動系、足回り、ブレーキ、ボディ補強。
2.2L化はその先でいい。
要するにこの車は、
ランエボFinalを“保存対象”ではなく“戦闘車両”として扱ったカスタムだ。
雑に作ると壊れる。
きっちり作ると、かなり速い。
そして、少し怖い。
それでいい。
ランエボは、少し怖いくらいが一番らしい。