
REVENGE EYESとは
REVENGE EYES。
名前からして、もう穏やかではない。
「復讐の目」なんて車名を付けられた時点で、コンビニに行く車ではない。誰かを追いかける気満々である。
ベース車は、見た目からしてトヨタ スープラ RZ(JZA80)’97と思われる。
低く構えたフロント、丸みのあるヘッドライト、太いリア、ロングノーズ。80スープラらしい塊感がしっかり残っている。
ゲーム内では、FR、直列6気筒ターボ、3.3L級、1070ps、142kgm級。
つまり、ノーマル2JZ-GTEではなく、排気量アップ+大容量タービン+フルチューン仕様と見るのが自然だ。
外装は赤と紫を左右で分けたような攻撃的なカラー。
巨大リアウイング、派手なグラフィック、低い車高。
かなり主張が強い。
辛口で言えば、ちょっと喋りすぎ。
だが、1070ps級のスープラなら、これくらいの過剰演出は許される。
むしろ純正風でこの数字だと、それはそれで怖すぎる。
ベース車としての80スープラRZ
80スープラRZは、国産スポーツカーの中でもかなり特別な存在だ。
1997年8月発売のスープラRZは、型式E-JZA80、2JZ-GTE型3.0L直列6気筒ツインターボ、最高出力280ps、最大トルク46.0kgm、FR、6速MTという内容だった。車両重量は1510kgで、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用している。
80スープラの魅力は、やはり2JZ-GTE。
頑丈なブロック、太いトルク、豊富なチューニングノウハウ。
「とりあえず2JZ」と言われるくらい、世界中のチューナーに使い倒されてきたエンジンだ。
ただし、80スープラは軽快な車ではない。
FD3Sのようにヒラヒラ曲がるタイプではなく、もっと重く、太く、押し出しが強い。
話し言葉で言えば、
「FDがカッターなら、80スープラは鉄パイプ」
だ。
雑な例えだが、かなり合っている。
REVENGE EYESは、その鉄パイプを1070ps級まで鍛え直した仕様である。
外装は“復讐心”が強すぎる
REVENGE EYESの外装は、かなり濃い。
赤と紫のツートン風。
ボンネットからサイドまで入る派手なグラフィック。
大型リアウイング。
低めの車高。
暗めのライトまわり。
これはもう、名前通りに“復讐しそうなスープラ”だ。
ただ、スープラは元のボディが強い。
だから外装を盛りすぎると、逆に車そのものの造形が負けることがある。
このREVENGE EYESも、そのギリギリ手前にいる。
特に赤と紫の組み合わせはかなり攻めている。
成功すれば妖しさが出る。
失敗すれば、ただの感情が不安定なラッピング車になる。
この車は前者寄り。
ただし、もう少し引き算してもよかった。
80スープラは黙っていても圧がある。
復讐するなら、叫びながら来るより、無言で近づいてくる方が怖い。
3.3L級2JZという見方
ゲーム内の排気量は3.3L級。
これは、2JZ-GTEをストローカー化した仕様と見るのが自然だ。
HKSには2JZ-GTE用の3.4Lキットがあり、排気量は3352.8cc。鍛造系のピストン、H断面コンロッド、ビレットフルカウンタークランクを組み合わせ、約1000ps級を視野に入れたキットとして説明されている。
REVENGE EYESの3.3L級という数字は、この方向性にかなり近い。
排気量を増やして、大きなタービンを回しやすくする。
低中速のトルクを増やし、上でも伸ばす。
1000ps級の2JZなら、かなり理にかなった作り方だ。
ただし、3.3L化すれば勝手に1070psになるわけではない。
排気量アップは土台。
1070psは、その上にタービン、燃料、冷却、駆動系、制御を全部積んでようやく見える数字だ。
2JZは強い。
でも魔法ではない。
雑に扱えば、ただ高く壊れる。
1070psは実車で可能か
2JZ-GTEで1070ps級。
これは現実でも狙える領域だ。
ただし、完全にフルチューンの世界。
吸排気とブーストアップでどうこうする話ではない。
HKSにはJZA80スープラ用2JZ-GTE向けに、GTIII-4Rと組み合わせるスペシャルセットアップキットも用意されている。ビッグシングルターボ化を前提に、エキマニ、ウエストゲート、フロントパイプ、オイル配管などを含む構成だ。
ただし、REVENGE EYESの1070ps級を本気で狙うなら、GTIII-4R級のストリート寄りビッグシングルより、さらに大きなタービンや競技寄りの構成まで考えることになる。
必要になる内容はこんな感じだ。
- 2JZ-GTE 3.3L〜3.4L化
- 鍛造ピストン
- H断面コンロッド
- 強化クランクシャフト
- 強化メタル
- 強化ヘッドガスケット
- ヘッドスタッド
- ハイカム
- 強化バルブスプリング
- 大容量シングルタービン
- 外部ウエストゲート
- 大容量インタークーラー
- 大容量燃料系
- フルコン制御
- 強化クラッチ
- 強化ミッション
- 機械式LSD
- ボディ補強
ここまでやって、ようやくREVENGE EYESの数字に近づく。
1070psという数字はロマンがある。
だが、ロマンだけで車は前に進まない。
燃料、冷却、駆動系、タイヤ。
この地味な連中が全部働いて、ようやく馬力が意味を持つ。
142kgm級トルクの怖さ
この車で一番ヤバいのは1070psより、むしろ142kgm級のトルクだ。
FRで142kgm。
これはかなり凶暴。
踏んだ瞬間にリアタイヤ、クラッチ、ミッション、デフ、プロペラシャフト、ドラシャ、メンバー、ボディへ一気に負荷が来る。
2JZはパワーが出る。
ゲトラグ6速も強い。
でも、142kgmを何も考えず受けられるほど世の中は甘くない。
この仕様で一番ダサいのは、馬力だけ大きくて前に進まないこと。
アクセルを踏む。
リアが暴れる。
白煙が出る。
終わり。
それは速い車ではなく、煙を出す置物だ。
REVENGE EYESを実車で作るなら、まず考えるべきはトラクション。
馬力より先に、踏める足とタイヤと駆動系を作るべきだ。
実車で作るなら、まず600〜800ps級
現実的に楽しむなら、まずは600〜800ps級がかなり良い。
必要な内容は以下。
- 大容量シングルタービン
- 強化エキマニ
- 外部ウエストゲート
- 大容量インタークーラー
- 大容量ラジエーター
- オイルクーラー
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- フルコンまたは高性能ECU
- 強化クラッチ
- 機械式LSD
- 車高調
- ブレーキ強化
- ハイグリップタイヤ
このくらいでも80スープラはかなり速い。
むしろ、街乗りや高速ステージまで含めるなら、この領域の方がまとまりを作りやすい。
1000ps超えは夢がある。
でも夢には工賃と熱と燃料と駆動系の請求書が付いてくる。
しかも全部高い。
本当に怖いスープラは、シャシダイの数字が大きい車ではない。
踏んだ時にちゃんと前へ出る車だ。
REVENGE EYES再現の1070ps仕様
ゲーム内の雰囲気に寄せるなら、かなり本気の仕様になる。
必要なパーツは以下。
- 3.3L〜3.4Lストローカーキット
- 鍛造ピストン
- 鍛造コンロッド
- 強化クランク
- 強化ヘッドガスケット
- ARP系ヘッドスタッド
- ハイカム
- 強化バルブスプリング
- ポート加工
- 大容量シングルタービン
- 強化エキマニ
- 外部ウエストゲート
- 大容量インタークーラー
- サージタンク
- ビッグスロットル
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- 燃料レール
- 燃圧レギュレーター
- フルコン制御
- ツインまたはトリプルプレートクラッチ
- 強化ミッション
- 機械式LSD
- 強化ドライブシャフト
- 大径ブレーキ
- ロールケージ
ここまでやって、ようやく外装の迫力と中身が釣り合う。
見た目だけ復讐者。
中身は普通。
それはかなり寒い。
REVENGE EYESを名乗るなら、エンジンルームを開けた瞬間に黙らせるくらいの作り込みが欲しい。
冷却系
この仕様で冷却を甘く見ると終わる。
必要な内容は以下。
- 大容量アルミラジエーター
- 大容量インタークーラー
- ツインオイルクーラー
- パワステクーラー
- ミッションオイルクーラー
- デフオイルクーラー
- 強化ラジエーターホース
- ローテンプサーモ
- 導風板
- ボンネットダクト
- フェンダーダクト
- 水温計
- 油温計
- 油圧計
- 排気温計
- 吸気温管理
TRD 3000GTでは、JZA80スープラ用のGTマシン由来エアロとして、ワイドトレッド化、空力、冷却性能強化が狙われていた。フロントダクトもラジエター、インタークーラー、オイルクーラーへ効率よく空気を送る思想で作られている。
REVENGE EYESも、ボンネットやフロント開口部を飾りで終わらせたらもったいない。
1000ps級の2JZは熱を出す。
かなり出す。
赤紫の外装は熱そうで格好いい。
だが実際に熱くなって困るのはエンジンルームである。
そこは見た目ではなく、風の通り道で解決したい。
燃料系
1070ps級なら、燃料系は完全に本気仕様になる。
必要な内容は以下。
- 大容量燃料ポンプ
- ツインポンプ化
- トリプルポンプ化
- 大容量インジェクター
- 大容量燃料レール
- 燃圧レギュレーター
- 強化燃料ライン
- リターン式燃料系
- E85対応も視野
- 空燃比管理
- ノック管理
- フルコン制御
2JZは強い。
だが燃料不足には勝てない。
高ブーストで燃料が薄い。
それはチューニングではなく、エンジンへの嫌がらせだ。
REVENGE EYES級なら、ログを見ながら燃料、点火、ブースト、吸気温をきっちり詰める必要がある。
この地味な作業をやらないと、1070psはただの短命な花火になる。
駆動系
142kgm級をFRで受けるなら、駆動系は最重要項目だ。
必要な内容は以下。
- ツインプレートクラッチ
- トリプルプレートクラッチ
- 強化フライホイール
- 強化6速ミッション
- ドグミッション
- 機械式LSD
- 強化デフマウント
- 強化エンジンマウント
- 強化ミッションマウント
- 強化プロペラシャフト
- 強化ドライブシャフト
- 強化ハブ
- ミッションオイル管理
- デフオイル管理
80スープラの6速MTは強い。
でも、1070ps級では純正感覚で使う世界ではない。
エンジンだけ元気で、ミッションやデフが先に音を上げる。
それはかなり悲しい。
REVENGE EYESを実車で作るなら、パワーより先に「壊れずに受け止める」部分を作りたい。
復讐する前に駆動系が退職したら、目も当てられない。
足回り
REVENGE EYESは、足回りをかなり作り込む必要がある。
必要なパーツは以下。
- 全長調整式車高調
- 減衰調整付きダンパー
- ピロアッパー
- 調整式アーム
- 強化スタビライザー
- ピロブッシュ
- ハイグリップタイヤ
- ワイドホイール
- アライメント調整
- コーナーウェイト調整
80スープラはフロントに2JZを積むFR。
パワーを上げるほど、フロントの入りとリアのトラクションの作り方が大事になる。
硬くすれば速い、ではない。
踏める足にする。
リアが粘る。
立ち上がりでタイヤが食う。
フロントが逃げない。
この状態を作って初めて、1000ps級が意味を持つ。
車高だけ落としてツラだけ決めたスープラは、写真では強い。
走るとすぐバレる。
ブレーキ
この仕様なら、ブレーキも本気で作る必要がある。
必要な内容は以下。
- 6pot級フロントキャリパー
- 4pot級リアキャリパー
- 大径2ピースローター
- 高性能ブレーキパッド
- ステンメッシュホース
- 高沸点ブレーキフルード
- ブレーキダクト
- ABSとの相性確認
- ペダルフィール調整
速いスープラが止まらないのはかなり怖い。
しかも1070ps級なら、速度の乗り方が普通ではない。
止まれない高出力FRは、ただの質量兵器だ。
復讐どころか、自分が先に壁と和解することになる。
REVENGE EYESを作るなら、ブレーキは見た目以上に重視したい。
ボディ補強
REVENGE EYESでかなり重要なのがボディ補強だ。
80スープラは頑丈なイメージがある。
だが、1000ps超え、142kgm級、ハイグリップタイヤ、大型ウイング、強化ブレーキを入れるなら、ボディ側も作る必要がある。
フロントまわり
- フロントストラットタワーバー
- フロントロアブレース
- フロントメンバーブレース
- ステアリングラック周辺補強
- フロントサスペンション取付部点検
- フロントクロスメンバー補強
- ラジエターコアサポート周辺補強
フロントがヨレると、重い2JZを積んだスープラは一気に鈍くなる。
直線だけ速い車になりやすい。
スープラはパワーで押せる。
だが、フロントが入らないと曲がらない。
曲がらない1000psは、かなり扱いにくい。
センター・フロアまわり
- フロアブレース
- センターブレース
- トンネル補強
- サイドシル補強
- ジャッキアップポイント補強
- スポット増し
- シーム溶接
- アンダーパネル固定強化
高出力FRは、ボディ全体に力が入る。
床下がしっかりしていないと、足回りのセッティングもぼやける。
外装だけ派手なスープラは多い。
見えないところまで作ってあるスープラは強い。
この差は、走ればすぐ出る。
リアまわり
- リアタワーバー
- リアメンバーブレース
- デフマウント強化
- サブフレームブッシュ交換
- リアアーム類リフレッシュ
- リアウイング取付部補強
- リアクォーター周辺補強
REVENGE EYESは大型ウイングが目立つ。
なら、取付部の補強は必須に近い。
ウイングは飾りではない。
速度域が上がれば、リアを押さえる部品になる。
それを受けるボディが弱いと、ただの巨大な見栄になる。
ロールケージ
1000ps級なら、ロールケージもかなり現実的な選択肢になる。
- 6点式
- 8点式
- サイドバー追加
- ダッシュ逃げ
- ダッシュ貫通
- リアストラット接続
- フロントストラット接続
- スポット増しとの併用
街乗りも考えるなら6点。
サーキットや記録狙いなら8点以上。
REVENGE EYESという名前でここまでやるなら、骨まで作った方がいい。
見た目だけ復讐者で、中身が観光客では困る。
外装を実車で再現するなら
REVENGE EYES風にするなら、必要な外装パーツは以下。
- 赤紫系ラッピング
- カーボンボンネット
- ダクト付きボンネット
- 大開口フロントバンパー
- フロントリップ
- カナード
- サイドステップ
- リアディフューザー
- 大型リアウイング
- ワイドフェンダー
- 鍛造ホイール
- ハイグリップタイヤ
実車でやるなら、赤と紫の塗り分けはかなり難しい。
少し間違えると、かなり安っぽくなる。
おすすめは、
赤をメイン、紫は差し色、黒を締め色に使う構成。
グラフィックも入れすぎず、ボンネットとサイドに絞る。
80スープラはボディラインが強い。
だから全部を柄で埋めるより、余白を残した方が迫力が出る。
復讐は静かな方が怖い。
車も同じだ。
辛口総評
REVENGE EYESは、トヨタ スープラ RZ(JZA80)’97をベースにした、かなり過激な2JZチューンドだ。
3.3L級まで拡大した2JZ-GTE。
1070ps級の出力。
142kgm級のトルク。
FR。
そして赤紫の攻撃的な外装。
かなり濃い。
薄味の要素が一つもない。
辛口で言えば、外装は少し感情が出すぎている。
赤、紫、グラフィック、大型ウイング。
全部が「怒ってます」と言っている。
だが、1000ps級の80スープラなら、そのくらい大げさでも成立する。
むしろ中途半端に上品な方が名前負けする。
要するにこの車は、
80スープラRZを3.3L級2JZ+大容量タービンで1070ps級まで叩き上げた、復讐心強めのFRモンスターだ。
雑に作れば、派手なだけのスープラ。
きっちり作れば、かなり恐ろしい高出力ロードゴーイングGTになる。
REVENGE EYES。
名前は物騒。
見た目も物騒。
中身はもっと物騒。
そして本当に作るなら、復讐されるのはたぶん財布が最初である。