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NIGHTMAREを辛口評価――NSX Type S Zeroベースの333ps仕様は実車で作れるのか

NSX Type S Zeroを悪夢仕様にする。発想は派手、素材は本物、でも雑に触る車ではない

NIGHTMARE。
名前は悪夢。
ベースがNSX Type S Zeroなら、これはもう名前負けしない。というより、実車で本気再現しようとしたら財布のほうが悪夢を見る

ベース車は、見た目とスペックからしてホンダ NSX Type S Zero(NA2)’97系と見ていい。実車のType S ZeroはC32B型3.2L V6、6速MT、MR、車重1,270kg、280PS/7,300rpm、31.0kgm/5,300rpmという仕様。ホンダ公式の1997年NSX諸元でも、S・ZeroはType S系の軽量仕様として表記されている。

で、このNIGHTMAREは3,337cc、333ps、38kgm、車重1,104kg
要するに、C32Bをさらに3.3L級まで煮詰めて、NAのまま333psまで持っていった軽量バケモノ仕様だ。

派手なグラフィックと巨大ウイングで誤魔化されそうになるが、中身の方向性はかなり硬派。
ただし、作り方を間違えると“速いNSX”ではなく、“高いNSXを台無しにした車”になる。


NSXは元から完成度が高い。だからこそ盛りすぎ注意

NSXは、そもそもの作りが普通じゃない。
ホンダは初代NSXで量産車として世界初のオールアルミ・モノコックボディを採用しており、軽量化と剛性確保にかなり本気で取り組んだ車だ。開発過程ではニュルブルクリンクでのテストや剛性向上も行われている。

つまりNSXは、最初から“素材がいい”。
そのへんのクーペを無理やり速くするのとは訳が違う。

だから辛口で言うと、このNIGHTMAREみたいな外装は少しうるさい。
金系ボディ、赤黒グラフィック、ボンネットのドクロ風イラスト、大型ウイング。
悪そうにしたい気持ちは分かる。分かるけど、NSXは黙っていても十分強い。

話し言葉で言うなら、
「素材が高級寿司なのに、マヨネーズとラー油を全部かけに行ってる」
みたいな危うさがある。

ただ、ゲーム内カスタムとしてはアリ。
一発で覚える。
“悪夢のNSX”というキャラは立っている。


333psのNA仕様は可能か?

結論から言うと、可能。だが簡単ではない。

C32Bは実車で280PS。そこからNAのまま333psへ持っていくなら、吸排気だけでは足りない。
このゲーム内スペックは3,337ccなので、実車で寄せるなら3.3L級のストローカー/ボアアップ系チューンになる。

必要になるのはこのあたり。

  • 鍛造ピストン
  • 鍛造コンロッド
  • ストローカーキット
  • ハイカム
  • 強化バルブスプリング
  • ポート研磨
  • 圧縮比アップ
  • エキマニ
  • スポーツ触媒
  • 軽量マフラー
  • 現車合わせECU
  • 大容量スロットル
  • 吸気ボックス最適化

NAで333psは、馬力だけ見れば過激すぎる数字ではない。
でもNSXでやる場合、部品代も工賃も気軽ではない。
「ちょっとエンジン触ろうかな」で入る世界ではない。
入口にドレスコードがあるタイプの沼だ。


過給機ならもっと簡単に馬力は出る。でもこの車には少し違う

NSXはスーパーチャージャー化でもパワーを出せる。ScienceofSpeedのTVSスーパーチャージャーは、純正3.0L/3.2Lエンジンで最大100hp増、補機類込みの軽めチューンでは175hp超の増加を狙う設計と説明されている。さらに同社のTVS+インタークーラー+Stage 2 3.2Lエンジンの事例では、520whp超、エンジン換算で約580hpという例もある。

だから、馬力だけなら過給機のほうが早い。
でもNIGHTMAREの表示は自然吸気。
ここがいい。
NSXは、エンジンのレスポンスとバランスで食う車だ。
ただ馬力を盛るより、NAで詰めたほうが“ホンダらしさ”は残る。

ただし、費用は跳ねる。
楽に速くするならスーチャー。
NSXらしく作るならNAメカチューン。

NIGHTMAREは後者だ。


38kgmはかなり良い。数字の作り方が分かっている

この車のトルクは38kgm。
NAの3.3L V6として見ると、かなり気持ちのいい数字だ。

NSXはMR。
後ろにエンジンがある。
トラクションはいいが、挙動は雑に扱うと急に厳しくなる。
だから、ターボでドカンとトルクを出すより、NAでリニアに出るほうが合っている。

この仕様なら、アクセルを踏んだ分だけきれいに前へ出る。
無駄に暴れず、でもしっかり速い。
NSXを壊さずに速くするなら、こういう方向はかなり正しい。


1,104kgはかなり攻めた軽量化

ここは相当キツい。
実車Type S Zeroが1,270kgなので、NIGHTMAREの1,104kgはかなりの軽量化になる。
約160kg以上落とす計算だ。

実車で近づけるなら、ここまでやる必要がある。

  • フルバケットシート
  • 助手席軽量化または撤去
  • 内装撤去
  • 防音材撤去
  • エアコン撤去
  • オーディオ撤去
  • 軽量バッテリー
  • カーボンボンネット
  • カーボンリアハッチ
  • FRP/カーボン外装
  • アクリルウインドウ
  • チタンマフラー
  • 軽量ホイール
  • 軽量ブレーキローター
  • 不要配線の整理

ただし、街乗りも考えるなら1,104kg狙いは割り切りが必要。
快適装備を削るほど、車は速くなる。
同時に、乗っている人間の生活感も削れる。

話し言葉で言えば、
「軽くはなる。でもデートには向かない」
というやつだ。


実車で最初にやるべきこと

NSXで一番最初にやるべきなのは、チューニングではなくリフレッシュ
この車はもう旧車の領域だ。しかも高額車。
いきなりエンジンを開ける前に、まず状態を整える。

見るべきところはこれ。

  • エンジン圧縮
  • タイミングベルト
  • ウォーターポンプ
  • 点火系
  • 燃料ポンプ
  • インジェクター
  • 冷却ホース
  • ラジエーター
  • クラッチ
  • 6速MT
  • デフ
  • ハブベアリング
  • ブッシュ類
  • アルミボディの修復歴
  • 下回り
  • 電装系

ホンダは初代NSX向けにヘリテージ系のパーツカタログや継続供給中部品リストも公開している。古いNSXを触るなら、まず純正部品の供給状況を確認するのがかなり大事だ。


エンジンを作るなら

現実的仕様

まずはこのあたりが自然。

  • C32Bリフレッシュ
  • エキマニ
  • スポーツ触媒
  • 軽量マフラー
  • 吸気改善
  • ECU現車合わせ
  • フライホイール軽量化
  • クラッチ強化
  • 冷却系強化

これで、NSXらしさを残したままかなり気持ちいい車になる。
正直、街乗りと峠ならこれで十分だ。

NIGHTMARE再現仕様

ゲーム内に寄せるならここまで。

  • 3.3L化
  • 鍛造ピストン
  • 鍛造コンロッド
  • ハイカム
  • 強化バルブスプリング
  • ポート加工
  • 圧縮比アップ
  • 大容量スロットル
  • 現車合わせECU
  • 軽量フライホイール
  • 強化クラッチ

これで333ps級NAを狙う。
ただし、ここまでやるならショップ選びが命。
NSXを分かっていない店でやると、悪夢の名前が現実になる。


冷却系

NAでも高回転を使うなら冷却は大事。

  • 大容量ラジエーター
  • オイルクーラー
  • 強化ラジエーターホース
  • ローテンプサーモ
  • 水温計
  • 油温計
  • 油圧計

NSXはMRなので、冷却配管も長い。
古い個体だとホース類の劣化も見るべき。
エンジンを作る前に、冷やせる車にする。
ここ、かなり大事。


足回りとブレーキ

NSXは前後ダブルウイッシュボーン。ホンダ公式諸元でもサスペンション形式は前後ダブルウイッシュボーン式とされている。
つまり、足回りの作り込みが効く車だ。

必要なのは、

  • 車高調
  • ピロアッパー
  • 強化ブッシュ
  • 調整式アーム
  • スタビライザー
  • ハイグリップタイヤ
  • LSD
  • アライメント調整

車高調なら、TEINのMONO SPORTやKW V5など、NA1/NA2向けの製品が今も流通している。TEIN MONO SPORTはNA1/NA2用として販売され、KW V5も1990〜2005年のNSX向けとして展開されている。

ブレーキはこのあたり。

  • 大径ローター
  • 対向キャリパー
  • スポーツパッド
  • ステンメッシュホース
  • 高性能ブレーキフルード
  • ブレーキ導風板

Brembo系では、NA1/NA2向けにフロント6POT・355mmローターのGTブレーキキット、リア4POT・345mmローターのキットが流通している。


ボディ補強は“やりすぎない”のが大事

NSXはオールアルミモノコック。
普通の鉄ボディ車と同じノリで補強すると、少し話が変わる。

アルミボディは加工や修理にも気を使う。
だからスポット増しみたいな勢い任せの補強は簡単に考えないほうがいい。
基本はボルトオン補強+ブッシュ管理+サスペンション精度で詰めるのが自然だ。

1. フロントタワーバー

フロントの入りと剛性感を整える。
Okuyama/CarbingからはNSX NA1/NA2向けのフロント用アルミストラットタワーバーが設定されている。ストラット上部を左右でつなぎ、ボディのねじれを抑えてサスペンション本来の動きを助けるという考え方だ。

2. リアタワーバー

MRのNSXではリアの安定感がかなり大事。
Okuyama/CarbingにはNA1/NA2用のリア用アルミストラットタワーバーもある。リアのタワー周辺を締めることで、リアサスの動きをより分かりやすくする狙いだ。

3. フロア・ロアブレース

ここはかなり効く。
ただし、NSXは低い車なので最低地上高に注意。

入れるなら、

  • フロントロアブレース
  • センターブレース
  • リアメンバーブレース
  • サブフレームカラー
  • デフマウント強化
  • エンジンマウント強化

MRは後ろが主役。
リアの逃げを減らすと、アクセルを入れた時の反応がかなり変わる。

4. ブッシュ類

古いNSXではブッシュがかなり重要。

  • ロアアームブッシュ
  • トーコントロール系ブッシュ
  • スタビブッシュ
  • エンジンマウント
  • ミッションマウント
  • デフマウント

いきなり剛性パーツを足すより、まずブッシュをリフレッシュしたほうが効く場合も多い。
古いゴムのままタワーバーだけ付けても、上だけ立派で下が逃げる。

5. ロールケージ

サーキット本気ならロールケージ。
ただし、NSXでケージを入れるのはかなり割り切りが必要。

  • 4点式
  • 6点式
  • サイドバー追加
  • ダッシュ逃げ
  • リアクロスバー

街乗り兼用なら、まずはボルトオン補強とブッシュ交換でいい。
NIGHTMAREをタイムアタック仕様にするならケージ。
ただし、内装と快適性は死ぬ。名前通り、乗り降りも悪夢になる。


外装を実車で再現するなら

再現は可能。

必要なのは、

  • ゴールド系オールペンまたはラッピング
  • 赤黒グラフィック
  • ボンネットイラスト
  • 大型GTウイング
  • フロントバンパー
  • フロントリップ
  • サイドステップ
  • リアアンダー
  • 大径ホイール
  • ローダウン

ただし、実車ならかなり慎重にやりたい。
NSXは元の形が強い。
とくにNA2 Type S Zeroなら、もうその時点で十分に希少だ。
そこへこの外装をそのまま入れると、良くも悪くも戻れない。

個人的には、
ゴールド系ボディ+黒エアロ+控えめ赤ライン+大型ウイング
くらいで止めたい。

ボンネットのドクロは……まあ、好みだ。
似合うかどうかより、乗る人間のメンタルが試される。


辛口総評

NIGHTMAREは、かなり面白い。
NSX Type S Zeroベースに、3.3L級NA、333ps、1,104kg。
数字だけ見れば、かなり理想的な軽量NAミッドシップだ。

ただし、実車でやるなら難易度は高い。
NSXは高額で希少。
しかもアルミモノコック。
エンジンも車体も、雑に触る車ではない。

辛口で言えば、外装は少しやりすぎ。
NSXに悪そうな絵を貼らなくても、車自体がすでに十分に特別だ。
でもゲームのカスタムカーとしてはキャラが立っている。
そこは認める。

要するにこの車は、
見た目は悪夢、でも中身はかなり理想的なNAチューンドNSX
雑に作れば本当に悪夢。
きっちり作れば、かなり美しい地獄になる。

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