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【車両紹介】日産 スカイライン HT 2000GT-R (KPGC10) '70

■ 基本スペック (ノーマル時)

項目スペック
メーカー日産
駆動方式FR
エンジンS20 直列6気筒 NA
総排気量1,989cc
最高出力160ps / 7,000rpm
最大トルク18.0kgf・m / 5,600rpm
全長×全幅×全高4,330×1,665×1,370mm
車両重量1,100kg
トランスミッション5速MT

■ ゲーム内での特性・オススメセッティング

特性: その後の「GT-R」という名の伝説を築き上げた、全ての始まりの一台。一見するとただの旧いセダン(クーペ)だが、その心臓部には、当時のレーシングカー「R380」のエンジンをデチューンした、超高回転型のS20型エンジンを搭載している。 7,000rpmで最高出力を発生するそのエンジンは、甲高い咆哮を上げ、現代のクルマでは味わえない官能的なフィーリングを持つ。一方で、シャシーやタイヤは70年代の技術であり、その挙動は極めて挑戦的。乗りこなすには、クルマと対話しながら、滑り出す限界を常に感じ取る、繊細なドライビングスキルが求められる。

オススメセッティング:

  • ライトチューン向け (Lv.3程度)
    • 方向性: 現代の技術で、オリジナルの弱点を克服する「レストモッド」思想。
    • タイヤ・ブレーキ: まずはタイヤを現代のスポーツラジアルに、ブレーキシステムを最新のものに交換する。これが安全に走るための最低条件。
    • 足回り: 純正の足回りを尊重しつつ、ショックアブソーバーのみを強化し、高速域での安定性を向上させる。
    • 駆動系: 機械式LSDを装着し、トラクション性能を改善する。
  • フルチューン向け (Lv.MAX)
    • 方向性: 伝説の「ハコスカワークス仕様」を、首都高で再現する。
    • パワーユニット: パワーユニットを最大まで強化し、ウェーバーキャブ仕様に。S20エンジンの潜在能力を解放し、250psオーバーを目指す。その吸気音はまさに楽器。
    • シャシー: ボディを完全にレストアし、スポット増しとロールケージで剛性を確保。サスペンションはピロ足のフルカスタム仕様に変更。
    • 軽量化: 徹底的な軽量化で1トン切りを目指す。

■【評価と立ち位置】

  • 国内での評判:『羊の皮を被った狼』 「羊の皮を被った狼」というキャッチコピーを地で行く、日本レース史の金字塔。ツーリングカーレースで打ち立てた「50勝(一説には52勝)」という記録は、今なお語り継がれる不滅の伝説。旧車會やカスタムの世界でも絶対的なアイコンであり、日本の自動車文化そのものを象 徴する一台と言える。
  • 国外での評判:『JDMクラシックの王』 長年、日本の外では知る人ぞ知る存在だったが、インターネットやゲームの普及により、その伝説が世界中に知れ渡った。現在では「Hakosuka」の名で世界中のJDMファンから敬愛され、最も価値のある日本のクラシックカーの一つとして、オークションで億単位の値が付くこともある。
  • ゲーム内での評価:『生きた伝説のステアリングを握る』 絶対的な速さでは、現代のマシンには到底敵わない。このクルマを選ぶことは、速さを競うのではなく、GT-Rという伝説の原点を、その手で体験するための儀式である。ピーキーなエンジン、覚束ない足回り、頼りないブレーキ。その全てを乗りこなし、美しく走らせることができた時、プレイヤーはタイムや順位では測れない、至高の満足感を得られるだろう。

■ 辛口コラム:全ての伝説は、この咆哮から始まった

ターボもない。4WDでもない。コンピュータ制御など、あろうはずもない。 ただ、鉄の箱(ハコ)に、レーシングカーの心臓(S20)を無理やり詰め込んだ。それが、ハコスカGT-Rの本質だ。 アクセルを踏めば、キャブレターが空気を吸い込む轟音と、タコ足から吐き出される甲高い排気音が、乗り手の理性を麻痺させる。それは、現代のクルマが失ってしまった、極めてプリミティブで、暴力的で、そして官能的な「咆哮」だ。 後のGT-Rたちが、どれほど賢く、どれほど速くなろうとも、その血の源流には、常にこのハコスカの荒々しい咆哮が響いている。全ての伝説は、ここから始まったのだ。

-日産