
■ 基本スペック (ノーマル時)
| 項目 | スペック |
| メーカー | 日産 |
| 駆動方式 | FR |
| エンジン | VG30DETT V型6気筒 ツインターボ |
| 総排気量 | 2,960cc |
| 最高出力 | 280ps / 6,400rpm |
| 最大トルク | 39.6kgf・m / 3,600rpm |
| 全長×全幅×全高 | 4,520×1,800×1,255mm |
| 車両重量 | 1,580kg |
| トランスミッション | 4速AT / 5速MT |
| 注:ゲーム内では4速と表示されていますが、本来マニュアル車は5速です。オートマチック仕様の可能性があります。 |
日産 フェアレディZ Version R TwinTurbo 2by2(GCZ32)'98は、フェアレディZの歴史の中でもかなり異色の存在だ。
なぜならこの車は、伝統的な“軽快なFRスポーツ”というより、90年代の日産が本気で作ったスーパーカー風ラグジュアリースポーツに近いからだ。
低くワイドなボディ。
当時としては未来的すぎるほどのデザイン。
VG30DETTによるツインターボの力強さ。
そして2by2ならではの少し長いルーフライン。
この車は、理屈より先にまず見た目で人を惚れさせる力がある。
もちろん、忖度なしで言えば欠点も多い。
軽くはない。
構造は複雑だ。
整備性も楽ではない。
しかも2シーターのような純度の高いスポーツ感を期待すると、少し違う。
だが、それでもなお、Z32という車は“良いZ”だと言いたくなるだけの色気と存在感を持っている。
Version R TwinTurbo 2by2は、その魅力がかなり濃く出ている一台だ。
この車はどんな存在なのか
Z32型フェアレディZは、初代S30のようなシンプルなスポーツカーとはかなり方向性が違う。
むしろZ32は、当時の日産が技術もデザインも贅沢に注ぎ込んだハイテクGT寄りのZだった。
その中でVersion R TwinTurbo 2by2は、名前の通りツインターボを積み、しかも2+2パッケージを持つ。
ここが重要だ。
この車は、最初から“純粋な軽量スポーツ”ではない。
速さと見た目の華、そして少しの実用性まで背負ったグランドツアラー寄りのZとして見るべきだ。
だからこの車を評価する時、
「2シーターより重い」
「もっと軽ければ」
という話は当然出る。
だがそれだけで切り捨てるのは雑だ。
この車の価値は、軽快感一点突破ではなく、濃い存在感とスーパーカー的な夢を現実の国産車に落とし込んだことにある。
良いところ
1. とにかく見た目が強い
Z32最大の武器は、まずここだ。
この車は今見ても本当に格好いい。
低いノーズ、滑らかな面構成、横から見た伸びやかなプロポーション。
しかもGCZ32の2by2は、2シーターとは少し違う長めのシルエットを持ち、独特の優雅さがある。
Z32は、S30のような素朴な美しさではなく、90年代の未来感をまとったスーパーカー風の美しさで勝負している。
この時代の日産車の中でも、デザインの完成度はかなり高い。
見た目だけで欲しくなる力は本物だ。
2. VG30DETTの押しの強さがある
Version R TwinTurboの魅力は、やはりVG30DETTの存在が大きい。
高回転NAのように回して育てるタイプではない。
もっと分かりやすく、もっと力で押す。
ツインターボの厚みと直6ではないV6らしい少し野太い押し出しが、この車のキャラクターによく合っている。
軽やかさではない。
繊細さでもない。
だが、アクセルを踏んだ時の“ちゃんと強い感じ”は、この車にしっかりある。
Z32が名車扱いされる理由は、この見た目に見合うだけのパワー感をちゃんと持っているからだ。
3. 2by2は“中途半端”ではなく“性格違い”
2by2というだけで、「純粋さに欠ける」と言われがちだ。
たしかに、2シーターよりスポーツカーとしての純度は薄まる。
しかし、2by2には2by2の良さがある。
ルーフラインに少し余裕があり、全体のシルエットにもGTらしさが増す。
つまりこの仕様は、Z32をよりグランドツアラー寄りに味わうための形として見ると非常にしっくりくる。
軽量ピュアスポーツの劣化版ではなく、キャラクターの違う上級寄りZだ。
ここを理解すると、この車の印象はかなり変わる。
4. “当時の日産の本気”が見える
Z32には、今の日産には少し薄い“本気の贅沢さ”がある。
売れ筋だけを考えていない。
コストだけを見ていない。
とにかく格好いい高性能Zを作るという意志が見える。
この手の車は、後から振り返るほど価値が増す。
なぜなら、今の時代はここまで無茶な設計をしにくいからだ。
Z32は、まさにそういう時代の産物であり、その濃さが魅力になっている。
ダメなところ
1. 重い。スポーツカーとしてはかなり重い
ここは避けられない。
Z32、とくにTwinTurbo 2by2は、軽快なスポーツカーではない。
見た目はスーパーカーチックで格好いいが、走りの質まで軽やかかと言われると別だ。
コーナーでひらひら向きを変えるような車ではない。
むしろ、重さとトルクで押していくGT的な車だ。
ここを勘違いすると、「見た目ほどシャープじゃない」と感じやすい。
2. 構造が複雑で、気楽な旧車ではない
Z32は見た目の華やかさに対して、中身はかなり複雑だ。
エンジンルームの密度感からも分かる通り、整備性が良い車ではない。
古くなった今では、その複雑さが維持の面倒さにも直結する。
つまりこの車は、
ロマンは濃いが、気軽に付き合える旧車ではない。
ここはかなり現実的な欠点だ。
3. 2シーターのような純度はない
2by2は魅力的だ。
だが、それでもスポーツカーとしての純度だけを見れば2シーターに分がある。
重量、サイズ感、そして“この車を何として楽しむか”という意味でも、2by2は少しGT寄りだ。
だから、Z32に対して
「とにかくシャープな純スポーツを期待する人」
には、GCZ32のVersion R TwinTurbo 2by2は少しズレる。
ここは好みがはっきり分かれる。
4. 今は伝説より個体差のほうが重要
Z32は名車だ。
だが、今となっては“Z32という名前”だけで安心できる段階ではない。
コンディション、補修歴、改造歴、冷却系、足まわり、電装、全部が印象を左右する。
つまり今のZ32は、
車種の評価より、個体の質のほうが重要になりつつある旧車
でもある。
この車の一番痛いところ
この車の一番痛いところは、**“見た目が良すぎるせいで、走りまでスーパーカー的な鋭さを期待されてしまうこと”**だ。
実際には、Z32 Version R TwinTurbo 2by2はもっとGT寄りだ。
重さがあり、余裕があり、豪快さがあり、そして少し複雑だ。
つまり、
スーパーカーのように見えて、実際はかなり濃いスポーツGT
なのである。
ここを理解していないと、この車の本当の良さは見えない。
逆に、最初から“良いZ”“華のあるGT”として見ると、かなり魅力的に映る。
S30やZ34、RZ34との比較
S30との比較
S30は、もっと原始的で、もっと軽く、もっとシンプルだ。
一方でZ32は、そこからかなり遠くまで来ている。
華やかさ、ハイテク感、豪華さ、そして重さ。
つまりZ32は、原点の軽さより、90年代の理想を詰め込んだZである。
Z34との比較
Z34は、もっと分かりやすい筋肉質なFRスポーツだ。
Z32ほど未来感はないが、キャラクターは素直で分かりやすい。
一方のZ32は、見た目も中身ももう少し濃く、もう少し色気がある。
RZ34との比較
RZ34は現代的で、見た目もZらしさを意識している。
だが、Z32のような“当時の最新感”や“やりすぎ感”までは持っていない。
RZ34が過去を編集したZなら、Z32は当時本気で未来を作ろうとしていたZだ。
この差はかなり大きい。
日産というメーカーから見たZ32
Z32には、今の日産には少し足りない“勢い”がある。
単に売れる車ではなく、
ブランドの華としてのスポーツカーを本気で作っていた時代の日産が見える。
だからこそ、この車は今でも特別扱いされる。
もちろん、その本気は重さや複雑さという形で裏目にも出ている。
だが、それも含めてZ32は“良い時代の日産”を象徴する車だ。
総評
日産 フェアレディZ Version R TwinTurbo 2by2(GCZ32)'98は、軽快な純スポーツではない。だが、それでも非常に魅力的な“良いZ”である。
スーパーカーチックな見た目は本当に強い。
VG30DETTの押し出しも、この車のキャラに合っている。
2by2という仕様も、純度の低さではなく、GTらしい余裕として見ればかなり味わい深い。
忖度なしで言えば、
重い。
複雑だ。
2シーターほどの純度はない。
維持も楽ではない。
だが、それでもなお、
“格好いい高性能Z”としての魅力が本物だから、この車は名車として語られ続ける。
要するにGCZ32のVersion R TwinTurbo 2by2は、
**“軽快な名車”ではなく、“華のある名車”**だ。
そしてZという名前には、そういう名車も確かに必要だった。
