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日産 フェアレディZ Version ST(Z34)'14を忖度なしで評価――大排気量NAとFRの魅力と弱点

■ 基本スペック (ノーマル時)

項目スペック
メーカー日産
駆動方式FR
エンジンVQ37VHR V型6気筒 NA
総排気量3,696cc
最高出力336ps / 7,000rpm
最大トルク37.2kgf・m / 5,200rpm
全長×全幅×全高4,260×1,845×1,315mm
車両重量1,540kg
トランスミッション7速AT / 6速MT
注:ゲーム内では7速と表示されており、オートマチック仕様の可能性があります。

日産 フェアレディZ Version ST(Z34)'14はどんな車か

Z34型フェアレディZは、Zの伝統をかなり正面から受け継いだ車です。
ロングノーズ、ショートデッキ、FR、自然吸気V6、2シーター。
この時点で、最近の効率優先スポーツとはだいぶ価値観が違います。

しかもVersion STは、そのZ34の中でも快適性や装備の充実も意識した上級寄りグレードです。
つまり、ただ荒々しいだけのスポーツではなく、**“ちゃんと特別感のあるZを味わう仕様”**でもある。

要するにこの車は、
「軽くて鋭いスポーツカー」ではなく、「大排気量NAの余裕とクーペらしい色気を楽しむ車」
です。
ここを理解して見ると、かなり魅力が分かりやすくなります。


良いところ

1. 3.7L V6の分かりやすい余裕がある

Z34最大の強みはここです。
最近の2.0Lターボ勢のような効率感ではなく、大排気量NAらしい自然な厚みがある。
低回転から無理なく前に出て、中間も力があり、そのまま上までちゃんと伸びる。
この“余裕のある加速感”はやはり魅力です。

昔ながらのスポーツカー好きからすると、こういう排気量で押し出す気持ちよさはまだまだ強い。
Z34はそこをちゃんと残しています。

2. 見た目のまとまりは今でも悪くない

Z34は登場時からかなり賛否がありましたが、今見ると意外とまとまっています。
極端に未来的でもなく、古臭すぎるわけでもない。
ちゃんとZらしいショートキャビン感があり、2シーターFRスポーツとしての分かりやすい格好良さがあります。

最近の車みたいに線が多すぎるわけでもなく、過剰にゴテゴテしていない。
この“程よいマッチョさ”は結構強いです。

3. Version STは“乗る満足感”がちゃんとある

Version STは、ただ速さだけを追った仕様ではなく、上級グレードらしい満足感があります。
Z34は全体として少し粗さの残る車ですが、STになると「ただのベースグレードではない」という雰囲気が出る。
つまり、Zを所有している感じがちゃんと濃いんです。

この種の車は、数字だけでなく“乗り込んだ時の気分”も大事です。
その点でVersion STは、ちゃんと上級グレードの役割を果たしています。

4. FRスポーツとしての分かりやすさがある

今どきの高性能車は四輪駆動や電子制御が進みすぎて、速いけれど少し複雑なこともあります。
一方でZ34は、FR・NA・大排気量クーペという時点でかなり分かりやすい。
その分、車好きが思い描く“正統派スポーツクーペ”像に近いです。

つまり、
理屈で速い車ではなく、構成そのものが気持ちを上げる車
ここがフェアレディZという名前の強さでもあります。


ダメなところ

1. 重い。軽快感ではかなり不利

ここは避けられません。
Z34は、軽さで勝負する車ではないです。
だから、コーナーでひらひら向きを変えるタイプを期待するとズレます。

もちろん、安定感や重厚感としてプラスに働く場面はあります。
でも、S2000やロータス系のような軽快さを期待すると、かなり違う。
要するに、速さはあっても身のこなしは重めです。

2. 内装や設計に時代を感じる

Z34はスポーツカーとしては魅力があります。
ただ、車全体の設計や内装の雰囲気には、やはり時代を感じます。
最新の車のような洗練された表示系や上質さ、スマートさでは弱い。
悪く言えば、少し昔の“国産スポーツカーの豪華版”感が残っています。

これを味と見る人もいます。
でも、価格や立ち位置を考えると、もう少し洗練が欲しいと思う人はいるはずです。

3. Version STは少し“中途半端”にも見える

Version STは装備面では魅力的ですが、尖ったスポーツ仕様というわけでもない。
かといって、完全なラグジュアリーGTでもない。
つまり、快適性とスポーツ性の中間で少し悩んでいる感じがあります。

ここがこのグレードの難しいところです。
ピュアに走りを求める人には少し重く見え、
上質なGTを求める人には少し荒く見える。
この“ちょうど中間”感は、魅力でもあり弱点でもあります。

4. 欧州勢と比べると色気や精密感で不利

Z34は分かりやすくて良い車です。
でも、ポルシェやBMWの同系統と比べた時の精密感、上質感、全体の緻密さでは少し不利です。
逆に言えば、そこを気にしない人には刺さる。
でも冷静に見ると、少し大味な部分は残るんです。


この車の一番痛いところ

Z34 Version STの一番痛いところは、**“魅力は分かりやすいのに、すごく洗練されているわけでも、すごく尖っているわけでもないこと”**です。

大排気量NAはいい。
見た目も悪くない。
FRクーペらしさもある。
でも、軽量ピュアスポーツのような鋭さはない。
高級GTのような圧倒的上質さもない。

つまり、
“良い意味でも悪い意味でも、かなり素直な国産スポーツ”
なんです。
そこが安心感でもあり、突き抜けきれない理由でもあります。


他のスポーツカーとの比較

Z33との比較

Z33はもう少し荒々しく、少し昔っぽい力感があります。
一方でZ34は、そこを少し洗練し、少し現代化した感じです。
ただし、Z34になって軽快になったわけではなく、むしろより重厚なGT寄りに見える部分もあります。

86/BRZとの比較

86/BRZは軽さと素直さで楽しませる車です。
Z34は真逆で、排気量と余裕で押してくる車です。
86/BRZが軽快な教科書なら、Z34は筋肉質なFRクーペ。
この差はかなり大きいです。

S2000との比較

S2000は高回転とシャープさが主役です。
Z34はそこまで尖っていません。
代わりに、もっと分かりやすいトルク感とGTっぽい安心感があります。
だから、S2000が“鋭いスポーツ道具”なら、Z34は“余裕のあるスポーツクーペ”です。

GRスープラとの比較

GRスープラのような現代的で洗練された速いクーペと比べると、Z34はかなり古典的です。
でも逆に、その古典性が魅力でもあります。
難しい理屈ではなく、FRと大排気量NAで満足させる
そこは今となっては貴重です。


日産というメーカーから見たZ34

この車はかなり日産らしいです。
GTRのような技術の塊とは違い、Zはもっと伝統と分かりやすさで勝負するスポーツカーです。
派手な最先端ではなく、
「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるFRクーペ像を今まで引っぱってきた。
その意味でZ34は、かなり真っ当なフェアレディZです。

ただし、真っ当すぎるぶん驚きは少ない。
そこが安心感であり、弱点でもあります。

-日産