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日産 フェアレディZ Version ST(RZ34)'24は本当に“Z”なのか――迷走する日産が生んだ新世代Zを本音で評価

■ 基本スペック (ノーマル時)

項目スペック
メーカー日産
駆動方式FR
エンジンVR30DDTT V型6気筒 ツインターボ
総排気量2,997cc
最高出力405ps / 6,400rpm
最大トルク48.4kgf・m / 1,600-5,600rpm
全長×全幅×全高4,380×1,845×1,315mm
車両重量1,590kg
トランスミッション9速AT / 6速MT
注:ゲーム内では9速と表示されており、オートマチック仕様の可能性があります。

RZ34は、日産が久々に“Z”の名前を大きく前に出してきたモデルです。
ロングノーズ、ショートデッキ、FR、2シーター、そしてV6。
この時点で、Zの基本文法はちゃんと守っています。

しかも見た目は、S30系を思わせる丸いヘッドライト風の意匠や、往年のZを感じさせる後ろ姿など、かなり露骨に“Zらしさ”を演出しています。
だから第一印象は強いです。
「ああ、これはZだな」と思わせる力はちゃんとある。

ただ、そこから一歩踏み込むと話は変わります。
RZ34は完全新設計の革命児というより、**既存の骨格と考え方をかなり引きずった“現代化改修型Z”**に見えやすい。
つまり、
新型というより“かなり本気の大規模マイナーチェンジ感”
があるんです。

ここが、まさにこの車の賛否ポイントです。


良いところ

1. ちゃんと速い。しかも今どきらしく分かりやすく速い

RZ34は、昔のZみたいな“排気量で押す自然吸気GT”一辺倒ではありません。
ツインターボ化されたことで、下から力があり、踏めばすぐ前に出る分かりやすい速さを持っています。

昔の高回転NAみたいに、回して育てる必要はそこまでない。
今の時代のスポーツカーらしく、実戦的で、再加速でも頼れる
ここは素直に強いです。

雑に言えば、
“昔のZより、ちゃんと今の速い車になった”
という部分はあります。

2. 見た目はかなり上手い

RZ34は中身以上に、まず見た目で得をしています。
正直これは大きいです。
Z34はやや無機質で、筋肉質ではあるが少し説明不足なデザインでした。
一方でRZ34は、過去のZへのオマージュを分かりやすく盛り込みながら、ちゃんと現代の車として成立させている

これは上手いです。
懐古趣味に振り切っていない。
でも、Z好きが見ればニヤつける。
このバランスはかなり良い。

3. 今どき貴重な“分かりやすいFRスポーツ”

この車の価値は、実はここも大きいです。
今の時代、スポーツカーといっても4WDだったり、ハイブリッドだったり、過度に電子制御だったりで、少し複雑です。
でもRZ34は、FR・2シーター・大きめのV6・クーペという、かなり古典的で分かりやすいスポーツカー像を保っています。

要するに、
「こういうのでいいんだよ」と言いたくなる構成
なんです。
この分かりやすさは武器です。

4. Version STは“所有感”がちゃんとある

Version STは、ただのベースグレードではなく、上級グレードとしての満足感がきちんと出ています。
ピュアな軽量スポーツ一辺倒ではないですが、そのぶん「ちゃんとZに乗っている感」が強い。
乗り込んだ時の特別感、装備の満足感、少しGT寄りの濃さ。
このへんはVersion STらしい魅力です。


ダメなところ

1. 新型感が薄い

ここが一番大きいです。
RZ34の最大の弱点は、“新型です”と言われた時の驚きの薄さです。

もちろん見た目は新しい。
でも車全体の空気としては、**「ああ、かなりZ34を引っ張ってきたんだな」**という感じがどうしても残る。
この感覚はかなり重いです。

つまりRZ34は、
新世代のZというより、“Z34の延命に相当本気を出した版”
に見えやすい。
ここはかなり辛いところです。

2. “迷走する日産らしさ”が出ている

ユーザーさんの感覚、かなり分かります。
RZ34は悪い車ではないのに、見ているとどうしても
「日産、完全新規でやり切る力が無かったんだろうな」
という空気が見えるんです。

デザインは気合いが入っている。
エンジンも強い。
でも、全体を見ると少し古い。
この“点は良いのに線で見ると惜しい”感じが、実に今の日産っぽい。

要するに、
会社の勢いの弱さが、そのまま車ににじんでいる
ここはかなり痛いです。

3. Version STは少し中途半端

Version STは上級グレードとして魅力があります。
でもその一方で、ピュアスポーツとしては少し重く、ラグジュアリーGTとしては少し荒い
つまり、ちょうど中間で止まっている感じがある。

本気で走りに振るならもっと尖ってもよかった。
快適性で押すならもっと洗練してもよかった。
でもVersion STは、その真ん中です。

悪く言えば、
“全部入りを狙ったぶん、ど真ん中を撃ち抜ききれていない”
とも言えます。

4. Z34の弱点を全部消せてはいない

RZ34は進化しています。
でも、Z34時代からの

  • 重さ
  • 少し古い設計感
  • 繊細さより豪快さが先に来るところ
  • 内外装の詰めの甘さ

こうした部分を、完全には消せていません。
だからこの車は、見た目ほど“刷新された感じ”がないんです。
ここが期待値を下げる原因になっています。


この車の一番痛いところ

RZ34の一番痛いところは、**“Zの顔はしているのに、Zの未来までは見せてくれないこと”**です。

これはかなり本質だと思います。
過去のZを感じさせる。
今の速さもある。
でも、その先に
「日産はここから本当に新しいスポーツカーを作っていけるのか」
という希望まではあまり見えない。

つまりこの車は、
“過去をうまく料理した車”ではあるが、“未来を切り開いた車”ではない
ここが一番惜しいです。


Z34や他のスポーツカーとの比較

Z34との比較

これはかなり分かりやすいです。
RZ34は、Z34より明確に見た目が上手く、エンジンも現代的で、商品としての押し出しが強い
その意味では確実に進歩しています。

ただし、土台から完全に別物かというとそうでもない。
だから、
“見た目と味付けは大きく進化したが、根本構造ではZ34の影が濃い”
という評価になります。

86/BRZとの比較

86/BRZは軽さと素直さで楽しませる車です。
RZ34はもっと大きく、もっとトルクで押し、もっとGT寄り。
つまり、
86/BRZが軽快なスポーツ教科書なら、RZ34は力で魅せる現代Z
です。
方向性はかなり違います。

GRスープラとの比較

GRスープラのほうが、車としての洗練度や現代的なまとまりでは一歩上に見える人も多いはずです。
RZ34はそこに対して、**もっと古典的で、もっと分かりやすい“日産のスポーツクーペ感”**で勝負しています。
つまり精密機械というより、まだ少し人間臭い。

ここを味と取るか、古さと取るかで評価が分かれます。

歴代Zとの比較

S30、Z32、Z33、Z34と来て、RZ34はそのどれとも少し違います。
昔のZのようなシンプルさ一発ではない。
Z32ほどの未来感もない。
Z33/Z34ほど無骨一辺倒でもない。
“過去のZの要素を編集して、今の日産がなんとか形にしたZ”
という見方が一番しっくりきます。


日産というメーカーから見たRZ34

この車は、良くも悪くも今の日産そのものです。
完全新設計で世界を驚かせる余力はない。
でも、何も作らないわけにもいかない。
その中で、ブランドの記号を守りつつ、見た目とエンジンでなんとか勝負してきた。
それがRZ34です。

だから私はこの車を、単純に否定しません。
むしろ、今の日産がこれを出せたこと自体は価値だと思います。
ただし同時に、
「これが限界だったのか」という寂しさもある。
そこが実に日産らしいです。


総評

日産 フェアレディZ Version ST(RZ34)'24は、Zの名前をきちんと守ろうとした車ではあるが、“未来のZ”としては少し弱い一台です。
見た目は良い。
速さもある。
FR・2シーター・V6というZらしさも残した。
ここはちゃんと褒められます。

忖度なしで言えば、
新型感は薄いです。
少し古いです。
Version STも中途半端に見える面があります。
そして何より、迷走する日産の事情が透けて見える
そこがこの車の苦しさです。

要するにこの車は、
“Zではある。だが、Zの新時代を切り開いた車ではない”
それでもなお、
「今の時代にこういう日産のFRスポーツが残ったこと自体に意味がある」
とも言える。
RZ34はそういう、少し複雑で、少し惜しくて、でも完全には嫌いになれない一台です。

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