概要
湾岸線・西行きに登場するチーム「PHASE X」。
地元の不良少年たちから発展し、個性豊かなメンバーが集まってできた異色の集団。
それぞれの経歴はバラバラだが、「走り」に打ち込む姿勢は共通しており、独自のチューニングや発想で首都高を駆け抜けている。
- 出現エリア:湾岸線 西行き
- チーム台数:7台
- 代表車種:シルビア(S15)、180SX など
メンバー一覧
ワイルドバード(リーダー)

- 名前:浜池 勝久
- 職業:フリーター
- 車種:NISSAN SILVIA spec-R AERO (S15) ’99
- プロフィール:
地元の少年たちを束ねてきた悪ガキ出身。恩師からの「何か一つを極めろ」という言葉を胸に走り続け、仲間を率いる存在に。中古車や安価なパーツを駆使しながら独学で極めたチューニングで、首都高を戦い抜いている。悪ガキ時代の仲間たちとも交流が続いており、彼の走りを支えている。
フライングオクトパス

- 名前:布川 誠司
- 職業:総合商社勤務
- 車種:NISSAN 180SX TYPE X (KRPS13) ’96
- プロフィール:
裕福な家庭に育ち、大学卒業後は大手商社に勤務。エリート街道を歩みながらも旧友との友情を貫き、ワイルドバードを支え続けている。マシンは見た目こそノーマルに近いが、セッティングの妙で戦闘力を引き出す堅実派。
京愁のジュピター

- 名前:目黒 伸
- 職業:フリーター
- 車種:NISSAN SILVIA spec-R AERO (S15) ’99
- プロフィール:
ワイルドバードの職場の先輩で、チームを陰から支えるメカニック的存在。豊富な知識を活かしてメンテナンスからチューンまで担当。堅実かつ信頼できる支柱であり、仲間にとっては頼れる兄貴分。
駆け抜ける野犬

- 名前:仲原 悦治
- 職業:フリーター
- 車種:NISSAN 180SX TYPE X (KRPS13) ’96
- プロフィール:
チームのマスコット的存在。無鉄砲で影響を受けやすい性格だが、仲間思いで根は真面目。京愁のジュピターの助けを受けながら走りを磨いている。
ダンジェリンレッド

- 名前:須崎 豪
- 職業:DJ
- 車種:NISSAN 180SX TYPE X (KRPS13) ’96
- プロフィール:
NY仕込みのテクニックを持つ有名DJ。音楽的な発想を走りに取り込み、「スクリー走法」と呼ばれる独自の走りを生み出した。勝利と同時に乱入のチャンスを狙う野心家でもある。
もみあげスクリュー

- 名前:南川 達次
- 職業:ダンサー
- 車種:NISSAN 180SX TYPE X (KRPS13) ’96
- プロフィール:
個性的なもみあげをチャームポイントにする若きダンサー。軽量ボディを活かした機敏な走りでチームを盛り上げるムードメーカー。走りにも独自のリズム感を取り入れている。
GO NAGASHIMA

- 名前:永島 剛
- 職業:DJ
- 車種:NISSAN SILVIA spec-R AERO (S15) ’99
- プロフィール:
ダンジェリンレッドの留学時代からの友人。DJとしてもレーサーとしても場を読む力に優れ、戦略的なセンスを持つ。走行性能は控えめだが、経験と勘で仲間を支える存在。
金はない、経験も浅い、でも勢いだけは本物の若手軍団
PHASE Xは『首都高バトルX』から登場しているチームで、当時は10代だけで構成された“イケイケ”の若手集団でした。2025年版では全員が20代になり、4年前にリーダーのワイルドバードが中学時代の同級生やその知り合いを集めて結成した新進気鋭のチームとして再設定されています。資金難やチューン不足を抱えながらも、情熱と団結力で首都環状を走り込んでいる、という説明がかなりストレートです。要するにPHASE Xは、強豪の完成形ではなく、まだ成長途中の“途中経過そのもの”を売りにしたチームです。
過去作との比較
変わったのは年齢だけで、青臭さはほとんど残っている
過去作との比較で面白いのは、PHASE Xがほとんど路線変更していないことです。『首都高バトルX』では「資金と経験は乏しく、ベテランドライバーと互角に渡り合うほどの力はない」とされていましたが、2025年版でも慢性的な資金難とチューン不足を抱えています。普通なら4年も経てば丸くなるか、現実を知って落ち着くか、どちらかです。ところがPHASE Xは、年齢だけ20代になっても中身はまだ“走ることに賭けている若手集団”のままです。そこが良いし、同時にかなり危なっかしいです。
しかも2025年版の数値を見ると、彼らは“弱い若手”ではもうありません。ワイルドバードのS15はスピード指標284.14、フライングオクトパスの180SXは279.02、駆け抜ける野犬の180SXは277.24、哀愁のジュピターのS15は275.03で、湾岸西の若手チームとしては十分に速い部類です。完成度は高くないが、勢い任せの雑魚でもない。つまりPHASE Xは、過去作の“青い連中”が、ちゃんと首都高で通用するレベルまで育ってきたチームと見たほうが近いです。
車種の特徴
S15と180SXだけで押してくる時点で、趣味が分かりやすすぎる
PHASE Xの車種構成は極めて分かりやすく、2025年版では確認できる範囲でS15シルビアが3台、180SXが4台です。若手チームでここまで日産FRに寄せてくるのは、もはや思想です。しかもS15はワイルドバード、哀愁のジュピター、GO NAGASHIMAが担当し、180SXはフライングオクトパス、駆け抜ける野犬、ダンジェリンレッド、もみあげスクリューが乗っています。チーム全体が“S系日産の軽量FR文化”で統一されているので、見た目にもキャラ付けにも迷いがありません。
S15シルビアは、日産が1999年にフルモデルチェンジした最後のシルビアで、ニュースリリースでもスポーティクーペとして打ち出され、spec-RはSR20DETで250PS/28.0kgmを発生しました。FRの2ドアクーペとして、見た目も中身も“速く走る若者の憧れ”をそのまま形にしたような車です。PHASE Xの中心にS15がいるのは当然で、金はなくても夢だけはでかい若手が最終型シルビアに憧れるのは、あまりにも自然です。
一方の180SXは、日産ヘリテージでもS13シルビアと基本を共有する3ドアハッチバッククーペとして紹介され、マルチリンクリヤサスやビスカスLSD、HICAS-IIなどを備え、1998年まで長く生産され、当時の若者に大きな影響を与えた1台とされています。つまり180SXは、**“安く買えるかもしれないが、ちゃんと速くて、しかも格好いい”**という若手に都合のいい夢の塊です。PHASE Xが180SXを多く抱えているのは、速さと現実の予算の折衷としてかなりリアルです。
辛口評価
青春としては眩しいが、チームとしてはかなり危うい
辛口に言うと、PHASE Xはまだ未完成です。
設定を見ても、金がない、経験が浅い、パーツ選びも雑になりがち、友達付き合いの出費も多い。要するに、首都高で名を上げたい気持ちは本物でも、足元はかなり不安定です。駆け抜ける野犬は“良い”と聞いた中古パーツを相性も考えずかき集めてまともに走らないマシンを作ってしまうことがあるし、チーム全体としても完成された職人集団とはとても言えません。勢いはあるが、安定感はない。 そこがPHASE Xの一番の弱点です。
ただし、単なるガキ集団で終わっていないのも事実です。リーダーのワイルドバードは恩師の「何か1つのことを極めろ」という言葉をきっかけに走りへ傾倒し、中古マシンと安価なパーツを集めて独学でチューニングを磨いてきました。フライングオクトパスは裕福な家庭と総合商社勤務という立場にありながら、あえてほぼノーマルの180SXを工夫で速く走らせることに誇りを持っています。哀愁のジュピターは整備工場の実家を持つメカ担当で、チームの実務面を支えています。つまりPHASE Xは、荒っぽいだけでなく、それぞれにちゃんと役割がある。この辺は思ったより丁寧です。
現実世界に存在した?
かなり“いた”寄り。ただし、まとまりすぎてはいる
現実世界にこういう集団がいたかと言えば、かなり“いた”側です。中学時代の仲間や知り合いでつるみ、誰かが中古車ルートを持ち、誰かがメカに強く、誰かはノーマル志向、誰かは中古パーツを雑に集める。しかも車種はS15や180SXといった、当時の若者が強く惹かれやすい日産FR。これは首都高や峠の若手グループとして、十分ありそうな構図です。PHASE Xはフィクションではあるが、材料はかなり現実寄りです。
ただし、現実はここまで綺麗には役割分担されません。恩師に更生させられた元悪ガキのリーダー、総合商社勤務の腐れ縁、整備工場育ちのメカ担当、愛されマスコット枠の後輩。これはさすがに“物語として整いすぎ”です。だからPHASE Xは、実在しそうな若手走り屋コミュニティを、ゲーム向けに少し見栄えよく整えたチームと見るのがちょうどいいです。
総評
PHASE Xは、最新作の中でもかなり分かりやすい“成長枠”です。
ベテランの渋みや老獪さはない。資金力もない。完成度もまだ高くない。けれど、結束・勢い・車種の統一感・若手らしい危うさが全部噛み合っていて、チームとしての輪郭はかなりはっきりしています。S15と180SXで揃えた時点で、趣味も美学も隠していません。そこは潔いです。

