ライバルチーム

Aquarium考察|エリートの顔をした、湾岸の“独身クラブ”最終形

概要

  • 出現エリア:湾岸線 東行き
  • チーム台数:6台
  • 代表車種:日産 GT-R (R35), トヨタ スープラ (JZA80), ホンダ NSX (NC1), 日産 フェアレディZ

チーム紹介

世界的な外科医「追憶のヒポクラテス」こと羽村草一が率いる、各界のプロフェッショナル集団。メンバーは外科医、弁護士、起業家、スポーツライターなど、高い専門性を持つ者たちで構成されている。それぞれが過去の挫折やコンプレックスを乗り越え、自己実現の場として首都高を走る。GT-R、NSX、スープラといったハイエンドマシンを駆り、湾岸線を華麗に泳ぐ。


メンバー一覧

追憶のヒポクラテス(羽村 草一)チームリーダー

  • 車種:NISSAN GT-R Premium edition (R35) '17 (駆動方式:4WD / エンジン:V6)
  • スペック:3,799cc / 570ps (6,800rpm) / 65kgm (5,800rpm)
  • 職業:外科医
  • プロフィール: <2Limit>のリーダー「紅蓮の牙」を兄に持つ、世界的に著名な外科医。かつては兄に対する数々のライバル意識を持っていたが、最近は医療界での成功と共に心境は落ち着きつつある。兄がマシンを乗り換えるたびに、自らも同じマシンに乗り換えている。

熱狂トリッパー(飯田 誠雄)

  • 車種:SUPRA RZ (JZA80) '97 (駆動方式:FR / エンジン:I6)
  • スペック:3,146cc / 346ps (5,600rpm) / 54kgm (3,600rpm)
  • 職業:弁護士
  • プロフィール: 無実の被告のアシストに失敗し、失恋した経験が大きな転機となった弁護士。失意を乗り越える過程で女性支援団体やコミュニティを立ち上げるまでに至った。クルマへの情熱を活かし、社会への再起を果たすべく新たな道を歩み始めた。

イノセントルージュ(吹石 萌衣子)

  • 車種:LANCER EVOLUTION FINAL EDITION (CZ4A) '15 (駆動方式:4WD / エンジン:I4)
  • スペック:2,097cc / 415ps (6,000rpm) / 50kgm (3,600rpm)
  • 職業:起業家
  • プロフィール: 元有名デパートの店員。現在は独自の化粧品ブランドを立ち上げ、美容セミナーやイベントで活躍する起業家。結婚願望が強く、婚活と結婚を夢見る彼女だが、かつては卒業したチームメンバーに恋していた過去もある。

終わりなきニューウェーブ(崔 正弘)

  • 車種:FAIRLADY Z Version ST (Z34) '14 (駆動方式:FR / エンジン:V6)
  • スペック:3,880cc / 441ps (6,800rpm) / 50kgm (5,200rpm)
  • 職業:スポーツライター
  • プロフィール: 元は男性向け雑誌の編集者。現在は編集者としての経験を活かし、スポーツジャーナリズムの道に進むことを決意。スポーツ雑誌やオンラインメディアで活躍し、新たなキャリアを築きあげようとしている。

禁断のトリプルアクセル(本居 友樹)

  • 車種:FAIRLADY Z Version ST (Z33) '05 (駆動方式:FR / エンジン:V6)
  • スペック:3,498cc / 293ps (6,000rpm) / 37kgm (4,800rpm)
  • 職業:新聞記者
  • プロフィール: 元フィギュアスケートの選手で現在は新聞記者として働くシングルマザー。娘が思春期に入り、恋愛に興味を持ち始めているので、母親としてアドバイスをしようと思うのだが、自身が離婚しているため躊躇している。

バブリーキング(瀬川 龍紀)

  • 車種:NSX (NC1) '17 (駆動方式:4WD / エンジン:V6)
  • スペック:3,492cc / 507ps (7,500rpm) / 56kgm (6,000rpm)
  • 職業:イベントプロデューサー
  • プロフィール: かつては派手な生活を送っていたが、バブル崩壊で一転、多額の借金を抱えてしまった。現在ではITベンチャー企業を立ち上げ、少しずつ借金を返済している。昨年の羽振りの良かった頃に親しいディーラーと再会し、景気の良い話で盛り上がった勢いで、うっかりマシンを買い替えてしまった。

①チームの特徴

現行プロフィールでのAquariumは、かなり出来すぎている。
湾岸線東行きに現れる6台編成で、看板はR35 GT-R、JZA80スープラ、NSX、フェアレディZ。しかもリーダーは世界的な外科医、ほかも弁護士、起業家、スポーツライターと、肩書きだけ並べれば高速道路ではなくフォーラムの登壇者名簿である。車種も職業も、要するに“成功しました”の自己紹介だ。魚群というより高級名刺入れだが、湾岸を泳ぐにはそれくらい分かりやすいほうが都合がいいのかもしれない。

ただし、車選びは見栄だけでは終わっていない。
R35、NSX、スープラという顔ぶれは、直線の押しと所有欲の満足感を両方取りにいく構成だ。速さを語るうえで言い訳がいらない。しかも現行の説明では、彼らは過去の挫折やコンプレックスを越え、自己実現の場として首都高を走るとされる。要するにAquariumは、ただの勝ち組サークルではなく、成功の証明をもう一度湾岸でやり直している連中だ。そこが少し面倒で、かなり首都高らしい。

②過去作での活躍

このチームは、昔から今のような“プロフェッショナル集団”だったわけではない。
『首都高バトルX』では、Aquariumは全員独身者で構成されたチームとして描かれており、軽い合コンノリで始まったのに、いつの間にか本格的な走りの集団になってしまったと説明されている。結婚したら脱退、未婚の走り屋と仲良くなるためにバトルを仕掛ける、しかし相手を簡単にぶっちぎってしまってうまくいかない。ずいぶん情けない話だが、かなり記憶に残る。

『Import Tuner Challenge』でも、この出自は変わっていない。
英語版でもAquariumは“a team of singles”と明記され、結婚すると脱退、落ち着きたい気持ちと首都高最速を目指したい気持ちの間で揺れる集団として紹介されている。つまりAquariumの本質は昔から、勝ちたいのに私生活も捨てきれないという妙に俗っぽい矛盾にあった。今作ではその俗っぽさが、外科医や弁護士といった一流職の肩書きに置き換わっただけだ。見た目は洗練されたが、芯の悩みは案外変わっていない。

③現実世界に存在していそうか?

かなり、いる側だ。
高所得で独身、車に金をかけられる、夜の湾岸に流れる。これは現実の首都高でもまったく不自然ではない。しかも昔の設定どおり、独身であることが行動力と可処分所得に直結し、そのままチューニングの充実へ繋がるという理屈も筋が通っている。肩書きが外科医だろうが弁護士だろうが、結局やっていることは“金と時間をクルマに突っ込める人たちの夜遊び”である。そこはずいぶん現実的だ。

むしろ現実味があるのは、チームの矛盾だ。
出会いを求めるくせに、バトルになると相手を容赦なく置き去りにする。落ち着きたいのに最速も欲しい。上品に見えるのに、悩みはかなり俗っぽい。このねじれ方は、妙に本物である。完全なフィクションならもっと格好よくまとめる。Aquariumはそこを少し外してくるから生々しい。エリートの顔をしたまま、悩みだけはやたら庶民的なのだ。

④総評

Aquariumの長所は、キャラクターの二重底にある。
表向きは一流の職業人、車はハイエンド、湾岸では優雅に泳ぐ。だが過去作まで掘ると、その正体は独身者の寄り合いから始まった、かなり俗っぽいチームだと分かる。この落差がいい。R35やNSXを並べるだけの金持ち軍団で終わらず、どこか情けなく、どこか人間臭い。そこが強い。

弱点を言うなら、少し気取りすぎていることだろう。
外科医、弁護士、起業家、スポーツライター。肩書きが整いすぎていて、正直ちょっと笑える。だが、そのくらい大げさでないと湾岸の夜では目立てないのも事実だ。
Aquariumは上品なプロ集団ではない。独身の自由と資金力をフルチューンに変えた、湾岸のハイエンド婚活失敗団である。

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