
FDベースの“見た目は派手、でも中身はかなり現実的”なロータリーカスタム
DIRTY FOX。
名前は汚いキツネ。見た目は水色のFD。
この時点で、もう少しややこしい。汚いのか綺麗なのか、まず方向性を会議で決めてほしい。
ベース車は見た目からしてマツダ RX-7 FD3Sで見ていい。
スペックもFR、RE、ターボ、1,308cc。つまり13B-REW系のロータリーターボ。
表示上は343ps / 39kgm / 1,235kg。
これは実車でもかなり現実味がある。むしろFDチューンとしては、無茶な数字ではない。
ただし、見た目はだいぶ喋る。
水色ボディ、大型ウイング、ワイド感のあるエアロ、フロントスプリッター、ステッカー類。
「速いです」と言う前に、車体全体で「見ろ」と言ってくるタイプだ。
FDベースとしては、かなり筋がいい
FD3Sは、こういうカスタムがよく似合う。
低い。軽い。曲線がきれい。ノーズが薄い。
しかもロータリーターボでFR。
もう素材の時点で、改造文化に好かれる条件が揃っている。
このDIRTY FOXも、そこは分かっている。
派手なグラフィックは好みが分かれるが、エアロやウイングの方向性はFDらしい。
タイムアタック風、ストリートチューン風、少しショーカー風。
まあ言ってしまえば、平成チューニング文化を令和の画質で出した感じだ。
悪くない。
ただし、上品ではない。
FDは何もしなくても美しい車なので、ここまで盛ると少し野暮にも見える。
この車は“FDの美しさ”より“FDを使った自己主張”を選んでいる。
343psは実車でも十分可能
このスペックで一番大事なのは、343psという数字。
これは13B-REWならかなり現実的だ。
ノーマルFDは年式にもよるが自主規制時代の280ps級。
そこから吸排気、冷却、燃料、ECU、ブースト管理をきちんとやれば、330〜360ps前後は十分狙える。
エンジン本体を大きく作り替えなくても届く範囲だ。
つまりDIRTY FOXは、数字だけ見れば“ゲームの夢スペック”ではない。
実車でもかなり自然に作れる。
ただし、ロータリーでここを雑にやると終わる。
13Bは面白い。軽い。回る。音もいい。
でも、雑なチューンを笑って許してくれるタイプではない。
FDに「まあ大丈夫だろ」は通用しない。
大丈夫じゃない時は、だいたい高くつく。
実車で作るなら、まず馬力より健康診断
FDで最初にやるべきことは、パワーアップではない。
圧縮測定だ。
ロータリーはここが肝。
エンジンの状態を見ずにブーストだのタービンだの言い出すのは、病院に行かずにプロテインだけ買うようなものだ。
まず健康状態を確認する。
実車でDIRTY FOX風を作るなら、最初に見るべき場所はこれ。
- 圧縮測定
- アペックスシール周辺の状態
- タービンの状態
- 冷却水まわり
- オイル漏れ
- 燃料ポンプ・インジェクター
- ハーネス・センサー類
- ミッション・デフ
- ボディの事故歴・サビ
FDは古い。
そして熱い。
さらに改造歴のある個体も多い。
だから、いきなり外装を水色にする前に、まず車として生きているか確認したほうがいい。
必要なチューニングパーツ
冷却系
FDで最重要。ここをケチると、綺麗な水色の置物になる。
- 大容量ラジエーター
- 大容量インタークーラー
- オイルクーラー
- 強化ラジエーターホース
- ローテンプサーモ
- 水温計
- 油温計
- 油圧計
- 排気温計
ロータリーは熱管理が命。
派手なステッカーより、まず油温を見るべきだ。
見た目の温度は下げなくていい。エンジンの温度を下げろ。
吸排気・ECU
343ps級ならここは必須。
- エアクリーナー
- フロントパイプ
- メタルキャタライザー
- スポーツマフラー
- 現車合わせECU
- ブーストコントローラー
- プラグ番手変更
- 点火系リフレッシュ
ロータリーはセッティングが雑だと怖い。
燃調、点火、ブースト、排気温。
ここをちゃんと詰めないと、速いFDではなく“壊れる準備ができたFD”になる。
燃料系
- 大容量燃料ポンプ
- 大容量インジェクター
- 燃圧レギュレーター
- 燃料フィルター交換
- 必要なら燃料ライン強化
ロータリーに燃料不足はかなりまずい。
見た目は青くても、中身が薄い燃調だと笑えない。
タービン
343psなら、純正ツインターボを活かす方向でも可能。
もっと扱いやすく安定させるなら、シングルタービン化もあり。
- 純正タービンOH
- 強化アクチュエーター
- シングルタービンキット
- エキマニ
- ウエストゲート
- サクションパイプ
街乗りもするなら、巨大タービンは要らない。
FDは軽いので、レスポンスが死ぬと台無し。
この車なら、中速から気持ちよく踏める350ps前後がかなり合う。
足回りとブレーキは絶対に必要
FDは軽くて曲がる。
だからこそ足回りを雑にすると、良さが全部消える。
- 車高調
- ピロアッパー
- 調整式アーム
- 強化ブッシュ
- スタビライザー
- アライメント調整
- ハイグリップタイヤ
- LSD
ブレーキはこのあたり。
- 大径ローター
- スポーツパッド
- ステンメッシュホース
- 高性能ブレーキフルード
- 必要ならビッグキャリパー
このDIRTY FOXは見た目からして走る気満々。
なら、止まれないとダサい。
派手なFDがブレーキで音を上げるのは、かなり格好悪い。
外装を再現するなら
外装は実車でも十分可能。
必要なのは、
- 水色系オールペンまたはフルラッピング
- ボンネットデカール
- サイドデカール
- フロントリップ
- カナード
- サイドステップ
- リアディフューザー
- GTウイング
- 大径ホイール
- ローダウン
ただし、実車でやるなら少し整理したい。
ゲーム内では派手でいい。記憶に残るから。
でも実車だと、デカールを盛りすぎるとFDの綺麗なラインが死ぬ。
おすすめは、水色ボディ+黒系エアロ+控えめなロゴ+大きめウイング。
これくらいで十分強い。
全部貼ると、車というより移動式スポンサー掲示板になる。
辛口総評
DIRTY FOXは、FDベースのカスタムとしてはかなり現実的。
343psという数字もいい。
軽いFDにこのくらいの馬力なら、かなり速くて楽しい。
ただし、見た目はやや喋りすぎ。
FDは元が綺麗な車だから、あまり塗りたくると逆に安っぽくなる。
この車はギリギリ。いや、片足くらい踏み越えている。
でもゲームのカスタムカーとしては、それくらいでいい。
実車でやるなら、最初にやるべきは外装ではない。
圧縮測定、冷却、燃料、ECU、ブレーキ、足回り。
ここを固めてから水色に塗る。
この順番ならかなり良いFDになる。
要するにDIRTY FOXは、
見た目は派手だが、343ps級ロータリーFRとしてはかなり作りやすい現実派カスタムだ。
FDの美しさを少し乱暴に使っているが、中身の方向性は悪くない。
こういう車、嫌いじゃない。
ちょっと騒がしいけどな。