
■ 基本スペック (ノーマル時)
| 項目 | スペック |
| メーカー | スバル |
| 駆動方式 | 4WD |
| エンジン | FA20 DIT 水平対向4気筒 ターボ |
| 総排気量 | 1,998cc |
| 最高出力 | 300ps / 5,600rpm |
| 最大トルク | 40.8kgf・m / 2,000-4,800rpm |
| 全長×全幅×全高 | 4,690×1,780×1,490mm |
| 車両重量 | 1,560kg |
| トランスミッション | CVT (スポーツリニアトロニック) |
速いワゴンが欲しい人に対する、スバルのかなり真面目な回答
レヴォーグという車名が出た時、多くの人が感じたのは
「これはレガシィツーリングワゴンの後継っぽい」
ということだったと思います。
実際、その見方はかなり本質を突いています。
ただしレヴォーグは、単純な後継ではありませんでした。
レガシィが少し大きく、少し北米寄りへ移っていった後で、スバルが日本市場に向けて改めて出した
“ちょうどいいサイズの、ちゃんと速いステーションワゴン”
が、このVM型レヴォーグです。
その中でも2.0GT-S EyeSightは、はっきりと“上”でした。
1.6Lではなく2.0Lターボ。
ただの実用ワゴンではなく、明確に動力性能を意識した仕様。
しかも足まわりも上級寄りで、EyeSightまで付いている。
つまりこの車は、
家族や荷物を運ぶことを諦めないまま、走りもかなり本気で取りにいったグレード
なんです。
まず、この車は見た目からして“普通のワゴン”ではない
レヴォーグ2.0GT-S EyeSightの面白さは、最初から隠していないことです。
ボンネットのエアインテーク。
引き締まったフロントマスク。
ワゴンなのに、明らかにただの実用車ではない雰囲気。
この時点で、かなり分かりやすい。
とくにこのVM型の前期は、まだスバルが
“ワゴンでも走りを前面に出していい”
と思っていた時代の勢いが残っています。
最近の車は、速くても少し上品に隠そうとすることがあります。
でもレヴォーグ2.0GT-Sは違う。
見た目からして、
「いや、これは速い仕様ですよ」
とちゃんと言ってくる。
ここがいい。
日本のステーションワゴン文化の中で、この手の“やる気を隠さないワゴン”はやはり魅力があります。
2.0GT-Sが強いのは、“速さの質”が実用車離れしていること
この車の本質は、2.0L直噴ターボの力にあります。
ただし、スポーツカーみたいにヒステリックに回して楽しいというより、
どこからでも力が出て、しかもAWDでちゃんと地面に伝わる
という種類の速さです。
ここがレヴォーグらしい。
派手に暴れるわけではない。
でもアクセルを踏んだ時の余裕が明らかに普通のワゴンより上。
高速道路の合流、追い越し、登坂、4人乗車。
そういう“日常の少し上”の場面で、2.0GT-Sはかなり強い。
要するにこの車は、
速さを自慢するための車ではなく、速さが日常の余裕に変わる車
なんです。
ここが1.6L系との一番大きな差であり、2.0GT-Sを選ぶ理由でもあります。
EyeSight付きというのが、この車の価値をさらに上げていた
このグレード名にEyeSightが入っていることは、かなり大きいです。
なぜならこの車は、走りだけでなく、使い方そのものがかなり現代的だからです。
昔の快速ワゴンは、速い代わりに少し我慢が必要でした。
でもレヴォーグ2.0GT-S EyeSightは、走りの余裕に加えて、長距離移動の安心感までちゃんと持っていた。
家族を乗せる。
遠くへ行く。
悪天候の高速を走る。
そういう場面で、EyeSightとAWDの組み合わせはかなり説得力がある。
つまりこの車は、
“昔ながらの速いワゴン”を、ちゃんと現代の道具として成立させた
という意味でも価値があります。
ここは単なる装備の話ではなく、車の思想そのものに関わるポイントです。
GT-Sという名前どおり、“少しスポーティな上級ワゴン”としての完成度が高い
GT-Sというグレード名は、かなり正直です。
STIのような本気の戦闘車ではない。
でも、ただの快適グレードでもない。
この“少し本気で、少し上質”という位置が、この車にはとても合っています。
足まわりも含めて、2.0GT-Sはレヴォーグの中でもしっかり“上”を感じやすい。
ただ速いだけではなく、車全体に締まりがある。
だからこのグレードは、
実用ワゴンにスポーツセダンの感覚を少し混ぜた仕様
としてかなりバランスがいいです。
もしこれがもっと快適に振り切っていたら、ただの上級ワゴンになっていたでしょう。
逆にもっと尖っていたら、日常性が薄れたかもしれない。
GT-Sはその間で、かなりうまく着地しています。
忖度なしで言えば、“完璧な快速ワゴン”ではない
もちろん、この車を持ち上げすぎるのも違います。
レヴォーグ 2.0GT-S EyeSightにもはっきりした弱点があります。
まず、重さです。
車としての完成度は高いですが、やはり軽快なスポーツワゴンではありません。
ターボAWDワゴンとしての装備と実用性を背負っている以上、動きには相応の重量感があります。
だから、ワインディングで軽くヒラヒラ走るような車ではない。
そこを期待すると少し違う。
次に、CVTの存在です。
この車の弱点として一番好みが分かれるのは、たぶんここでしょう。
実用性や効率の面では理にかなっています。
でも、2.0Lターボの力強さや“走りそうな見た目”に対して、
変速の気持ちよさという意味では少し機械的で、少し熱量が薄い
と感じる人もいる。
ここはかなり本質的です。
さらに、内装も高級感で圧倒するタイプではありません。
質感は悪くない。
でも、プレミアムワゴンとして見た時に絶対的な華があるかと言えば少し微妙です。
このあたりは、良くも悪くもスバルらしい現実感があります。
それでも、この車には“ちょうどいい夢”がある
レヴォーグ2.0GT-S EyeSightの一番いいところは、
夢が現実から浮きすぎていないこと
かもしれません。
スポーツカーほど不便じゃない。
SUVほど背が高くない。
高級輸入ワゴンほど高価すぎない。
でも、ちゃんと速い。
ちゃんと格好いい。
しかも家族も荷物も載せられる。
この“ちょうどいい夢”は、実はかなり難しいです。
欲張ると全部が中途半端になります。
でもレヴォーグ2.0GT-Sは、その欲張り方がかなり上手い。
だから今でも支持される。
雑に言えば、
クルマ好きが家庭や現実と折り合いをつけながら選ぶには、かなり魅力的だった
んです。
この感じは、レヴォーグという車の大きな成功だったと思います。
レガシィツーリングワゴンの流れを継ぎつつ、時代の変化にもちゃんと応えた
この車を語る時、やはりレガシィツーリングワゴンの存在は外せません。
日本の“速いワゴン”文化を考えると、レガシィはどうしても大きい。
そしてレヴォーグは、その精神をかなりうまく引き継いでいます。
ただし、単なる焼き直しではない。
レヴォーグは、もっと現代的です。
サイズの見直し、安全装備、見た目の押し出し、そして2.0GT-Sのようなグレードの設定。
これらは全部、
昔の快速ワゴン文化を、2010年代の日本向けにちゃんと再編集した結果
です。
だからこの車は、レガシィの代わりでありながら、同時にレヴォーグとしてちゃんと独立している。
ここがうまいところです。
総評
スバル レヴォーグ 2.0GT-S EyeSight(VMG)'15は、ただの高性能ワゴンではなく、“使える速さ”をかなり高い水準で形にした一台です。
2.0Lターボの余裕。
AWDの安心感。
GT-Sらしい締まり。
EyeSightによる現代的な使いやすさ。
その全部がちゃんと噛み合っています。
忖度なしで言えば、
軽快なスポーツワゴンではありません。
CVTに熱量の薄さを感じる人もいるでしょう。
高級感も絶対的ではない。
でも、それでもなお、
“速いワゴンを現実的に使いたい人”にとってはかなり正しい答え
になっています。
要するにこの車は、
**“WRXの代わり”でも“レガシィの代わり”でもなく、“2010年代の日本に必要だった快速ワゴンそのもの”**です。
VMGのレヴォーグ 2.0GT-S EyeSightは、そういう一台だと思います。
