
GR86は、初代86の2.0Lから2.4Lへ排気量を広げた2代目です。エンジンの変更が分かりやすい一方、剛性や軽量化、空力にも手が入っています。先代から何が変わったかをまとめて見ると、この車の狙いが伝わります。
実車の主要諸元(2021年・GR86 RZ 6MT)
| 項目 | 2021年発売時の仕様 |
| 型式・グレード | 3BA-ZN8/RZ・6速MT |
| エンジン | FA24 水平対向4気筒 DOHC |
| 総排気量 | 2,387cc |
| ボア×ストローク | 94.0×86.0mm |
| 燃料供給 | D-4S(筒内直接噴射+ポート噴射) |
| 最高出力 | 235PS / 7,000rpm |
| 最大トルク | 250N・m(25.5kgf・m)/ 3,700rpm |
| 駆動方式・変速機 | FR/6速MT |
| 全長×全幅×全高 | 4,265×1,775×1,310mm(ルーフ高1,280mm) |
| ホイールベース | 2,575mm |
| サスペンション | 前マクファーソンストラット/後ダブルウィッシュボーン |
| タイヤ | 215/40R18 |
| 車両重量・乗車定員 | 1,270kg/4名 |
| 発売時のメーカー希望小売価格 | 334万9,000円(税込) |
ここでは発売時のRZ・6MTに仕様をそろえています。RZの6ATは1,290kg、SZの6MTは1,260kg、RCの6MTも1,260kg。タイヤはRZが18インチ、SZは17インチ、RCは16インチで、同じZN8でもグレードを混ぜると重量や足元の話がずれます。後年の年次改良車や特別仕様車も別に確認してください。
FA24は排気量だけでなく、トルクの出方が変わった
FA24は排気量2.387L、ボア94mm・ストローク86mm。先代初期型FA20の86×86mmからストロークを変えずにボアを広げ、排気量を増やしています。最高出力は235PSで、先代初期の200PSから35PS増。最大トルクは250N・mを3,700rpmで発生し、先代初期型の205N・m/6,400~6,600rpmよりかなり低い回転から力が出ます。
数字の差が効くのは、最高速の話より普段の回転域です。トヨタは発売時資料で、0–100km/h加速を先代の7.4秒から6.3秒へ短縮したと説明しています。高回転まで回して力を引き出す先代の性格を残しつつ、街中や立ち上がりで「もう少し踏みたい」と思う場面を減らした、という見方ができます。これはメーカー公表値で、路面や計測条件による実走結果とは分けて読んでください。
燃料供給はトヨタのD-4S。燃焼室へ直接噴射する方式と吸気ポートへ噴射する方式を運転状況に応じて使い分けます。水平対向4気筒の低い搭載位置を活かすFRパッケージは続投。FA24に載せ替えて車名に「GR」が付いても、基本のレイアウトまで別物にしたわけではありません。
剛性を上げても、重さを増やしすぎない工夫
トヨタは先代比で横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%高めたと公表しています。高張力鋼板の採用範囲を広げ、ルーフ、エンジンフード、フロントフェンダー、エンジンアンダーカバーにはアルミ材を使用。RZの6MTは先代初期GT・6MTの1,230kgから40kg増の1,270kgに収まっています。剛性の数値はメーカーの比較値で、体感やラップタイムをそのまま保証するものではありません。
足まわりは前ストラット、後ダブルウィッシュボーン。RZの215/40R18タイヤは、SZの215/45R17やRCの205/55R16より薄いサイドウォールです。見た目の差だけでなく、交換タイヤの価格や乗り心地、段差でのリム傷にも関わるので、中古車を見るときは銘柄・製造年・内減り・ホイールの歪みまで見ておきたいところです。
GR86らしさは、BRZとの共通点の中にある
GR86とSUBARU BRZは共同開発で、基本骨格やパワートレーンを共有します。一方、トヨタはGR86について「手の内感」や限界域でのリニアな応答を目標に挙げました。ここはメーカーが掲げた開発意図として読むのが正確で、BRZより必ず曲がる、誰が乗っても差が分かる、と言い切れる話ではありません。試乗するなら同じタイヤ状態・近い年式で乗り比べると、好みを判断しやすくなります。
フェンダー後方のエアアウトレットやサイドシルスポイラー、ダックテールも、トヨタがモータースポーツからの知見を使ったと説明している部分です。RZの純正状態を基準にするなら、装着パーツが純正か社外品か、取付穴や補修跡がないかも確認したいですね。空力部品が付いているだけで速さを判断するのは、だいたい広告の仕事です。
中古のRZ 6MTで見ておきたいところ
2021年型RZのMTには、AT車向けのアイサイトは設定されていません。運転支援装備を重視するなら、単に「GR86 RZ」と見るのではなく変速機を確認してください。RZ 6MTの発売時価格は334万9,000円、6ATは351万2,000円でした。
中古車は、クラッチのつながりと滑り、シフト操作時の異音、冷間時の始動、整備記録をまず確認。車高調やマフラーなどの変更がある場合は、部品名だけでなく取付状態、アライメント、タイヤの片減りも見ます。サーキットを走ったかどうかだけで良し悪しは決まりませんが、走行歴と消耗品交換の記録が説明できる個体のほうが判断しやすいです。
参照資料:トヨタ「新型GR86を発売」(発売日、開発背景、FA24、剛性、グレード別諸元)/トヨタ認定中古車(2021年10月発売 RZの諸元)/トヨタ「小型FRスポーツ 86を発売」(先代初期型の設計と主要諸元)
中古で買うなら、いくら?(2026年10月調査)
国内の中古車情報を2026年10月24~25日に調べました。ここからは、実車を買う場合の価格の話です。金額は販売店の掲載価格で、売却時の買取額とは異なります。
2021年式ZN8型GR86 RZの掲載車では、支払総額273.9万円・359万円という価格が付いていました。
273.9万円は6MT・純正装備中心の掲載例、359万円はGRエアロ・車高調・マフラー等の追加装備がある車です。RCやSZ、旧型ZN6の価格は含めていません。
ここで挙げたのは、調査時に見つかった車の価格です。市場全体の平均や底値を示すものではありません。気になる車があれば、今も販売中か、整備内容と諸費用はどうなっているかも確認してみてください。
価格を調べたページ:グーネット:掲載例1(2021年・359万円)/グーネット:掲載例2(2021年・273.9万円)
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