
■ 基本スペック (ノーマル時)
項目 | スペック |
メーカー | ホンダ |
駆動方式 | FF |
エンジン | B16B 直列4気筒 NA |
総排気量 | 1,595cc |
最高出力 | 185ps / 8,200rpm |
最大トルク | 16.3kgf・m / 7,500rpm |
全長×全幅×全高 | 4,185×1,695×1,360mm |
車両重量 | 1,070kg |
トランスミッション | 5速MT |
■ ゲーム内での特性・オススメセッティング
特性: インテグラType R(DC2)と同じ思想で開発された、ホンダのもう一つの傑作。DC2より短いホイールベースと軽量なボディを武器に、さらに鋭い回頭性を見せる。まるでカミソリのような切れ味のコーナリングは、一度味わうと病みつきになるだろう。 エンジンは1.6LのB16Bを搭載。DC2のB18Cに比べるとトルクは細いが、8,200rpmで最高出力を発生する超高回転型エンジンであり、VTECに入った時の炸裂感はEK9ならではの魅力。八重洲線のような超タイトなコースでは、DC2をも上回る速さを見せるポテンシャルを秘めている。
オススメセッティング(B案):
- ライトチューン向け (Lv.3程度)
- 方向性: 持ち前の回頭性を活かしつつ、安定性を確保する。
- ボディ剛性: まずはタワーバーを前後に装着し、シャシーのヨレを抑制する。これだけでもステアリングレスポンスが向上する。
- 吸排気系: 無限やスプーンといったホンダ伝統のチューナーズパーツで吸排気を固めるのが王道。レスポンスとサウンドを両立できる。
- サスペンション: リアのトーを少しだけインに向けることで、ピーキーになりがちな挙動をマイルドにし、高速コーナーでの安定性を高めることができる。
- フルチューン向け (Lv.MAX)
- 方向性: 軽量ボディをさらに活かす「ヒラヒラ感」と、立ち上がりのトラクションを両立させる。
- エンジン: エンジン換装も有力な選択肢だが、あえてB16Bを極めるなら、徹底的な軽量化とバランス取りで10,000rpmを目指す。
- 駆動系: DC2同様、ファイナルギアのローギアード化は必須。LSDは1.5wayを選択し、アクセルオフ時の回頭性とオンでのトラクションをバランスさせる。
- 空力: フロントのダウンフォースを稼ぎ、高速コーナーでのアンダーステアを抑制する。
■【評価と立ち位置】
- 国内での評判:『ストリート生まれの生粋のファイター』 「インテR(DC2)はサーキット、シビックR(EK9)は峠」と称されるように、その俊敏なハンドリングからテクニカルなステージで絶大な支持を得ている。特に大阪の環状線を舞台にしたストリートレース「環状族」において、シビックはそのコンパクトさから絶対的なアイコンとして君臨しており、EK9はその最終進化形としてストリートでの武勇伝には事欠かない。
- 国外での評判:『世界が熱狂したホットハッチの頂点』 北米市場には正規導入されなかったため、JDMファンにとってはDC2と並ぶ究極の「禁断の果実」。一方、販売されていた欧州やアジアでは、当時のライバル(プジョー 106 S16やルノー・ルーテシアRSなど)を凌駕するエンジンとシャシー性能で「史上最高のホットハッチ」として不動の地位を築いた。その人気は今なお健在で、世界中に熱狂的なファンコミュニティが存在する。
- ゲーム内での評価:『コーナーを制する“最速の小型ナイフ”』 プレイヤーの間で永遠に続く「DC2 vs EK9」論争の片翼。DC2が安定性とパワーで勝る「ショートソード」なら、EK9は切れ味と機動性で勝る「ナイフ」に喩えられる。総合的な速さではDC2に軍配が上がることが多いが、八重洲線やC1内回りといった限定的なステージでは、EK9がレコードタイムを叩き出すことも。どちらを選ぶかは、プレイヤーのドライビングスタイルと哲学そのものを反映する。
■ 辛口コラム:優等生の兄と、ストリート育ちの弟
インテグラ タイプR(DC2)という完璧な兄がいた。品行方正、成績優秀。サーキットという晴れ舞台で、誰からも認められるエリート。そんな兄の背中を見て育ったのが、シビック タイプR(EK9)という名の弟だ。 ベースは、誰もが知る大衆車シビック。兄のように特別なクーペボディを持つわけではない。だが、そのハッチバックの体に、兄と同じか、それ以上に過激な魂を叩き込まれた。育った場所は、サーキットよりも路面の荒れた峠や、無法地帯のストリート。そこで生き残るために、小回りの効く体と、一瞬で相手の懐に飛び込む俊敏性を身につけた。 DC2が「理論上、これが最速のFFだ」というホンダの冷静な計算の答えなら、EK9は「こいつでアイツらをブチ抜いたら最高に楽しいだろうな!」という技術者の衝動と遊び心が生み出した傑作だ。優等生の兄と、少しワルな弟。どちらが魅力的かなんて、野暮な質問だろう。